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【極・短編小説】吾輩は猫であるのか??

吾輩は猫である。
名前はまだない。
いや先程までなかったのだが……。
「あなたの名前は今日からオスシよ」
お寿司になった。
雨の降る日に女に拾われ勝手につけられた名だ。
女は寿司という食べ物が好きだからという理由だけで吾輩の名を決めた。
まったくもって不愉快だ。
ただ提供される飯は旨い……もう少しだけ一緒にいてやってもいいだろう。

そう考えて早2年がたった。
「ねえオスシ。あんた猫だよね?」
コイツは今更何を言っているのだ??
吾輩は猫である。
「デカくなりすぎてない?大型犬くらいあるし、シッポも2本とか生えてきたし……」
「何を言う!吾輩はれっきとした猫である!!」
「それに人語も話せるようになっちゃってるし、まあ私は何でもいいんだけど〜」

オスシ自身、猫又と言われる物怪であるということに気づくのに今しばらく時間がかかるのであった。

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