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【ふしぎ旅】人物にまつわる伝説の地

 旅をしていると、一人の人間にまつわる伝説で、同様のスポットが複数存在しているものがあることに気が付く。

 と言うと分かりづらいだろうが、例えば有名なのは、武田信玄の隠し湯と呼ばれるものだろう。
 wikiには、信玄の隠し湯が16か所、上杉謙信の隠し湯が7か所、紹介されている。

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 猿の温泉で知られる地獄谷の近くにある渋温泉も信玄の隠し湯だ。

源義経にまつわるところも多い。義経を指す判官の名が冠せられた神社は全国に4社ほどあるようだ。

 また、海辺の洞窟など、隠れていた義経が船を隠したといわれる判官舟隠しと呼ばれるところも日本海側に2か所ある。

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 新潟県の角田浜にある判官舟隠しは、風光明媚なシーサイドラインの中、なかなか見つけずらく、まさに舟隠しの名にふさわしい。

 義経よりも多いのが、その従者、武蔵坊弁慶にまつわる所だ。
 弁慶が投げたり、弁慶が持ち上げたなどの伝説が残る弁慶石をはじめ、、それに準ずる名前がついているものは全国で10か所以上はありそうだ。

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 福島県と宮城県県境にある国見町には、弁慶が硯にしたと言われる弁慶の硯石が伝わる。

 弘法大師が掘ったとされる井戸や、杖をついたら清水が湧き出たところも多い。
 弘法井戸や弘法清水と言われるところは地図で調べるだけでも30ほどある。
 新潟県と富山県の県境、市振の関にも同様の名の井戸がある。

 なにより多いのが、源義家(八幡太郎義家)が、奥州十二年合戦(前九年の役、後三年の役)の時に、戦勝を祈願したと言われる神社で、関東から東北の八幡宮の多くに祈願したのではと思われる。

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 福島県会津若松の一箕八幡神社などには、その社殿がある小山みずから八幡太郎義家が作ったという伝説が詳らかに残っているが、全国に44,000社あるといわれる八幡神社の1%でも戦勝祈願すれば440社だから、それくらいはありそうだ。
 他にも、会津の荒脛巾神社や、新潟の矢葺明神にも戦勝を祈願している。

 ほか、浄土真宗の親鸞上人や、日蓮宗の日蓮聖人の名がついているところも少なくない。
 有名なものは、新潟の親鸞七不思議や、日蓮岩屋などであろうか。

 どこまでが、実際の史実に基づく話かはともかく、その人物が、いかに当時の人たち、そしてその後の人たちに印象を残しているかということを考えると、このようなスポットを探してみることは興味深い。

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