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この世界から出る術

「みんな水に向かっていくの」

彼女の声は、休日の騎士団長のように疲れていた。

「水に向かって歩いて、オヨグことなく、沈んでいく。水面が身体を包んでいき、そして、何も見えなくなる。その後は知らない。そのまま、誰も帰ってこないから」

みんな?
誰も?
やはり僕以外に、ここを訪れた者がいるのか。

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