【怪異譚】地方議会での答弁
国会でのオカルトな答弁と言うと2013年の安倍総理に対する「総理大臣公邸には、二・二六事件等の幽霊が出るというのは本当か」などというところが有名である。
また「UFOに関する、政府の認識、対処」などということは、2020年の河野太郎防衛相の発表が記憶に新しいが、実は何年かに1度くらい定期的に話題にのぼっている。
国会でさえ、そうなのだから、地方自治体の議会にいたっては、かなりの頻度でオカルトな話題が上がることが多い。
UMAやUFOで町おこしをというホノボノしたものから、廃墟となった建物へ肝試しに入る者が多発して危ないという現実的に被害が出ているものまで、様々ある。
ただ、時に、「これは、ホントに?」と思われるようなものもある。
知人に、旅先の図書館でその土地の議会報などを読むのが趣味という者がおり、オカルト的な話題だと、嬉々として私に教えてくれるので、何点か紹介したい。
特定地区への祭事助成金について
U地区で開催される地域のお祭りについて、助成金が実行委員会に支払われているが、祭事の一部内容が完全に伏せられている。
何をやっているか、分からないことに、助成金を出していいものだろうか。
これに対する答え「単なるお祭りのお金でなく、この地の人々の生活、生命の安全を守るために必要な経費であると理解していただきたい」
という奇妙な回答がなされている。
何か、この地区によくないものが封じ込められており、その祟りを特定の人物のみが知る呪術によって、抑えているのではないかとも想像させる。
野生動物の被害について
最近、T地区に出没する野生動物の被害に対する対応について質問いたします。
2週間ほど前から、主として鶏を中心に被害にあっており、もっとも酷い被害を受けた鶏舎では約300羽の鶏が体内の血液が失われ、干からびていたという話です。
イタチかテンの類かと思われるのですが、あまりにも数が多いため、それ以外の外来種の可能性もあるのではとも思われます。
また、見間違いかと思いますが、人の大きさほどのコウモリを見たという情報もあります。
とにかく、正体が分からないので、暗視カメラの設置の強化などで、正体を特定していただきたいところです。
これ、野生動物というよりも、吸血するUMAと知られるチュパカブラや、巨大なコウモリという外見からモスマンのようなUMAではないだろうか。
しかし、あまりにも淡々として質問をしているので、そのことに質問している本人すら気づいていないことが分かる。
UMAよりも現実的な被害の方が深刻なのだろう。
Aダム湖につながるトンネルの安全対策について
Aダムにつながるトンネルについて質問いたします。
Aダムは、景観がよく、観光資源として、非常に可能性を感じております。
しかし、道中までのアクセスの悪さ、および、そこにつながるトンネルが狭く、また電灯などがなく暗いため、非常に不便を感じております。
昼間でも暗く不気味なため、一部では「お化けトンネル」などと言われ、肝試しなどに訪れる者ぐらいしか、いない状況です。
治安の維持、観光資源の景観を守ることを踏まえて、トンネルの整備をお願いします。
これに対しての答え「トンネル内を明るくして、見てはいけないものが見える可能性について、お考えになりましたか?」
これ、絶対にトンネル内に何かいる!
先のお祭りに関してもそうだが、地元を古くから知る者しか、分らないことがあり、功をあげようと、若手や、他所からきた新参者が、地元のタブーに、無自覚に踏み込むということが時としてあるのだろう。
あまり知られていないことだが、議会だよりや地域広報誌などは、このような怪しい事例が時として潜んでいる。
お読みいただきありがとうございます。 よろしければ、感想などいただけるとありがたいです。