見出し画像

超肥満ザルをみて考える 食欲のナゾ

 この写真は、バンコクの市場で飼われていた猿の「ゴジラ」。3月25日のタイ天然資源・環境省提供のニュースからです。3歳9ヶ月で体重20kg超え、平均の2倍以上だそうです。お客から餌を与えられているうちにこうなったと書かれており、これからダイエットに励むのだそうです。

 私はこの記事をみて、食欲のナゾについて考えました。いくらでも草を食べられる牛も、残飯を食べ放題の都会のカラスも、水族館のホオジロザメも、周りにいくら食べ物が溢れていようが、食べすぎて肥満になることはありません。

 しかし人は違います。全世界の肥満人口は増える一方で、とどまるところを知りません。私が診ている患者さんでも、産業医の担当先でも、体重100kg超えている方が珍しくなくなってきました。「人生100年時代✨」の次は、「体重100kg時代✨」かもしれないと思うほどです。

 自然界の虫や鳥や動物たちは、必要以上に食べないでいられるのに、なぜ人間は体を壊してまでも食べ続けてしまうのでしょうか??

 私はその理由としてまず、こう考えました。人間は、食べる理由をお腹が空いている以外にもたくさんあるからだと。例えばこんな感じです。

「美味しそうだから、あれを食べよう」

「イライラしているから思いっきり食べてストレス解消しよう」

「みんなが全部食べているから、残さずに全部食べよう」

 要するに、味を想像する力や、ストレスを解消しようとする、社会的な規範に従う、といった高度な人間の能力が備わっているからこそ、人間だけが食べ過ぎて肥満になるのではないかと思ったのです。

 しかし、この仮説に全く当てはまらない例が多々あることに気づきました。このバンコクの超肥満のカニクイザル、そしてよく見かける肥満の飼い犬や飼い猫です。

 猿は人間に近い脳をもつ動物ですが、野生の猿は食べすぎて太ることはないでしょう。しかし、人に市場で食べ物をもらったら、食べられるだけ食べてしまいました。そして、犬や猫はどうして家で買われると食べ過ぎてしまうのでしょうか?

 その答えが解ける、一冊の本に出会いました。

APPETITE本

デイヴィッド・ローベンハイマー、スティーヴン・J・シンプソン著の「科学者たちが語る食欲」です。 

 私たちの食欲を操っていたのは、人間が作り出した超加工品であったことを、この昆虫学者達が突き止めてくれました。そして、食物繊維が私たちの肥満に歯止めをかける大切な要素であることも。久々に、読み応えがあって、面白くて、眼から鱗が落ちる本に出会って、とても嬉しい気持ちです。

 ただし、超加工品や食物繊維のことは、この本の中のほんの一部であって、もっと大切なことがたくさん書いてあるので興味のある方は本を買って読んで下さい。

 世の中に溢れる超加工品に一切触れずに生きていくことは非常に困難な時代です。スーパーやコンビニに頼らない自給自足生活なら可能かもしれませんが、一部の方々が頑張って自給自足をしても、世界中の肥満人口の増加には影響しないと思います。

 私が大切だと思うのは、気づく力を養うことです。

例えば・・・

・無意識に食べてしまっているたくさんの食材に気づくこと。

・どんな食材を食べたらどんな体調になり、どんな未来が待っているのかに気づくこと。

・目の前の物を食べる事が、将来の幸せと健康より魅力的に感じている自分に気づくこと。

・空腹でもないのに食べている自分に気づくこと。

・一口一口の味わいや香りに気づくこと

食べるという行動は、とどまる事なく様々なことを私たちに教えてくれます。マインドフルイーティングは、これらの気づき促し、自然と食欲をコントロールできるようになる食事方法です。

気づきを高める食べ方で、本来の生き物としての食べる調節能力を取り戻してみませんか?

clubhouseで「やせる呼吸」というクラブを作っています。マインドフルイーティングについての質問会、コーヒー瞑想、朝の瞑想会など、様々なルームを開いていますので、よかったらフォローして、参加して下さいね。 

◆ clubhouse やせる呼吸 へのフォローはこちら!

◆ 食べる瞑想ランチ会で、五感を使った食べ方を身につけよう!
https://mindful-eating16.peatix.com/

スクリーンショット 2021-03-26 9.36.12

◆ やせる呼吸 脳科学専門医が教えるマインドフルネス・ダイエット
Amazon.co.jpによる詳細はこちら: https://www.amazon.co.jp/dp/4576180967/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_DP97HZ16AC9893BX62SY

やせる呼吸


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?