無関心は最大の罪ということを思い知らされた、映画「関心領域」
こんにちは、サカモトです。
週に2回、月曜日と木曜日にnoteに記事を投稿しています。今回は月曜日の記事です。
もう2024年も6月になりました。週2回の投稿も昨年の12月からはじめて、ちょうど6ヶ月、半年が経過したことになります。
以前には、毎日投稿だから定期投稿が続けられているんであって、毎日投稿じゃなければ続かないと書いたことがありますが、週2回でもよく続けて来れているなと思います。
これは1年以上毎日投稿を続けてきたからとも言えるでしょう。なんというか書くための脳の筋力がついたと言えるでしょう。だから、毎日投稿でなければ続かないというのは半分はあたりで、半分はハズレということです、知らんけど。
さて、今回は映画「関心領域」の話です。
関心領域は今年のアカデミー賞で作品賞など5部門にノミネートされて、国際長編映画賞と音響賞の2部門を受賞した作品です。
内容は、あの悪名高きアウシュビッツ収容所の所長の家族の話です。家がアウシュビッツ収容所の隣にあって、すぐ隣ではユダヤ人の大虐殺が繰り広げられる中、幸せな生活を送る家族の物語です。
ホームページの写真を見てもらえれば分かりますが、庭は広く、プールもあって、子供達が和気藹々と本当に楽しく過ごし、それを周りの大人たちが優しい眼差しを送っています。
これだけ見ると幸せな家族だなということなんですが、この家のすぐ隣には高い塀と鉄格子があって、そこから看守たちの怒声などが聞こえてくる、そんな特殊な環境です。
映画自体はかなり淡々と描かれていくのですが、最後の方に所長が異動なって転勤になるという話があるのですが、そのシーンが衝撃的でした。
その話を妻に話すと、妻が激怒するのです。やっと理想の生活を送れているのに、なぜ転勤しなければいけないのか、納得できないと。そこで夫に転勤を取りやめるよう申し出てくれないかと詰め寄るわけです。
このシーンは本当に恐怖でした。
確かに幸せな家族生活は表面上送れています。しかし、そのすぐ横では大変なことが行われているわけです。そんな生活が理想の生活とは、、、、
妻もおそらくどういう状況にいるのか知っているのです。しかし、そういうことに目を瞑り、無かったことにして生きていくことにしているわけです。つまり、無関心を装い、それにより自分の幸せを手にいれているということです。
これほど残酷なことがあるでしょうか。
夫も、妻の剣幕に押されて、異動の取り止めとまではいかなくても、家族は今の家にとどまれるよう嘆願を出します。つまり、奥さんに尻に敷かれている状況なんですね。
一方で、囚人たちを焼く焼却炉の建設の話を仕事ではしていたりするわけです。この描き分け方がすごいなと。
家族に対する時は、よき夫、よき父として振る舞い、仕事では残忍なことを平然と行うそんなふうに描いているわけです。
これはユダヤ人を虐殺したナチスの将校のルドルフ・アイヒマンが実は普通の人だったという話を思い起こさせるものです。
この映画はストーリー展開が、派手さはないですし、テーマは重いので、後味は悪いですが、戦争とは何か、本当の罪とはなんなのか、そういうことを考えさせられる映画です。