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衝撃!目しか動かせない人が書いた本、「このまま死ねるか?!」

こんにちは、サカモトです。

今回はこちらの本、「境を越えてpart1 このまま死ねるか?!」の紹介です。

この本のタイトルがはpart1となっていますが、2024年に続刊part2を予定しているそうです。

 死にたいのに、なぜ生きてきたのか?それを皆様にお伝えしたくて、この本の続編、私がどのように介助者や沢山の人に関わって生きてきたのか、沢山の人がどのようにして関わってきてくれたかを、二〇二四年刊行予定の『境を越えてPart2 それでも生きるか!?(仮題)』でお伝えできればと思っています。

あとがきより


3年半という長い時をかけた本

この本の作者岡部さんは2006年にALSを発症し、それ以後病状が進行し、今では目しか動かせないそうです。

そんな岡部さんが透明文字盤などを使って、3年半という長い時間をかけて書いたそうです。

確かにまえがきを見ると、2019年8月に書かれたものですとあります。ここから始めて、2023年4月までかけたわけですね。

そのまえがきから、なかなかショッキングな内容です。

現在私は、目の一部が動かせる程度で、自分で呼吸すらできません。
喋ること、食べること、歩くこと、腕を動かすことも使うこともできない生活を、十年以上続けています。 よくそんな状態で生きているな……と思われる方もたくさんいることでしょう。生きていることのQOL(生活の質・人生の質)の測定方法がいくつかありますが、私のような状態だと大抵の測定方法で「死んだほうがマシ」という結果になります。客観的な手法を用いても、生きているより死んだほうがよいという結果になっているのです。
では、私は生きていないほうがよいのでしょうか? この本のタイトル、「このまま死ねるか!?」という問いは、まさに自分への問いかけです。発病してからいったいどれほどこのことについて考えたでしょうか。この本を通して、私は自分にまた問い続けています。「このまま死ねるか!?」と

まえがきより

内容

この本は、岡部さんのこれまでの人生の歩みとALSを発症されてからの死ぬこと、生きることの考え方が綴られています。身体的には目しか動かせない状況であるにも関わらず、記憶もはっきりしていますし、考え方もしっかりしていることがよく分かります。

つまり体が動かなくても、人の内部の思考や記憶は健常な人と違いがないのだなと感じます。これは将来的に自分も同じような状況になるかもしれない身としては希望が持てます。そう、体制さえ整えれば意志を周りに示すことができるんですね。


死生観


死生観については一番考えさせられたところです。健常な人にとって、生きることと死ぬことでは、死ぬことのほうが大変です。死ぬには、高いところから飛び降りたり、首をつったりと、能動的に動いていくことが求められませんが、呼吸器をつけたALS患者にとっては、死ぬことが簡単で、生きるための努力を放棄するだけで死んでしまうのです。

24時間の介護体制を整えるなど万全の環境を整えることが必要で、そんな状況でも、呼吸器がうまく作動しないとかで簡単に死んでしまうそうです。何度もうまく呼吸器が作動しない状況に陥って、他の人に知らせることができないので、そのまま放置されたら死ぬということがありましたが、その度に奇跡的に周囲に気づかれて、一命をとりとめたそうです。

そんな過酷な状況で、死ぬことと生きることについて考え続けて達成した死生観が書かれています。


私は言いたい、存在そのものの価値を認めよう。そこから先は各々違ってよいのだと。活動したい人は活動すればよいし、静かな暮らしを望む人は静かな暮らしを、発信が難しい人もそれぞれに暮らしていければよいのだと。
こんな病気でも、そんな感じでいられたらよいかなと思います。ただひたすら生きていければよいなと。ほかの生き物はみんなそうなのに、人だけはそうもいかないのはなぜでしょうか?それが、人ということなのかもしれないけど。
生きていること、生存しているということは、全ての人に共通しています。生きているという点ではみんな同じです。ひたすら生きているということは、そういう意味だと思います。
どんな障害や病気でも、その人なりの生き方が見つかるような気がします。しかしそれは、障害や病気と関係ない、その人がどうやって生きていこうとするのかは、誰でも共通なのかもしれません。

死ぬことと生きることについてずっと考え続けていたからこその深みを感じます。

死ぬこと、生きることについて考えるにはいい本だと思いますよ〜


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