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みんな小さなオードリー・タンを心に宿そう!「オードリー・タンの思考」
こんにちは、サカモトです。
今回は、近藤弥生子さんの著作シリーズの3冊目です。これまで、近藤弥生子さんの本については
オードリー・タン母の手記「成長戦争」
台湾はおばちゃんで回ってる
まだ誰も見たことのない未来の話をしよう
に引き続き、4冊目の著作の紹介になります。
「オードリー・タンの思考 IQより大切なこと」です。
たぶん、これで近藤弥生子さんの本はコンプリートしたはず。どれもおもしろくてためになる本でした。
それでは、さっそくする感想を書いていきます。
この本の特徴としては、他の本と同じく、オードリー・タンさんの考えや活動について紹介しているんですけど、台湾の歴史に触れている点です。台湾は1949年から1987年まで戒厳令下に置かれていて、大変な世の中だったことが書かれています。
その時の様子がよくわかる映画「返校」も紹介されていて、その映画を見たのですが、あまりにひどくて驚きでした。映画を見た感想はこちらにまとめています。
そして、1987年以降民主化されますが、十分ではなく、2014年に台湾の立法院(日本の国会に相当)を学生運動家たちが占拠する「ひまわり学生運動」が起こります。
その時、オードリー・タンさんたちハッカーはこの活動の様子をYouTube などを使って、リアルタイムで配信したとのことです。それにより、オードリーさんの存在が政治の世界にまで知られるようになり、後にデジタル大臣として登用されるきっかけになったようです。
それまでのオードリーは、IT業界でずば抜けたスキルを持つ人物として世界的に有名であったが、この〈ひまわり学生運動〉を機にさらに広く、政府内にまでその存在が知られるようになる。〈ひまわり学生運動〉で、オードリーら〈g0v〉が行ったこと、それは、デジタルを活用したコミュニケーションの確保だった。「市民(政治的な共同体である社会の構成員)は会話を求めて立法院に集まった。考えや主張が異なるもの同士、まずはお互いを見えるようにするべきだ。その上で、合理的な対話をして解決の糸口を見つけよう」。それが彼女たちの姿勢だった。デモ初日の夜から最終夜までの22日間、立法院議事堂内も外もお互いの様子がリアルタイムでわかるように、YouTubeライブなどを利用してライブ中継を行ったのだ。
ひまわり学生運動のことを描いた「私たちの青春、台湾」という映画が紹介されていて、こちらも面白かったです。その当時の台湾の雰囲気がよく分かります。
さて、話は変わって、この本の主題は、「小さいオードリー・タンを宿そう」です。はじめはこの言葉を聞いたとき、どういう意味なのかピンとこなかった。
人は何か問題やうまく行かないことがあると、誰か他人にもとめがちです。特に政治家に求めがちで、政治家がきちんとした政策を行わないから、社会問題が解決されないのだと。
挙句の果てには、日本にオードリー・タンがいればよかったなと考えてしまいます。
確かに、彼女は天才です。天才としか思えない行動や発言をしています。凡人にはとても真似できないと思わされます。
でも、それでいいのです。彼女の何十分の1か分かりませんが、小さなオードリー・タンを心に宿し、一人一人が社会を良くするために行動すれば、きっと何かが変わるのです。そう、一人一人の行動が重要なのです。
「日本にもオードリー・タンはきっといる。肝心なのはそのような人材が、たとえ皆が思い描く政治家のイメージと幾ばくか違っていたとしても、より良い社会のためにその人物を起用できるかということだ」〈インタビューで垣間見たオードリー・タンの素顔〉(2020年4月ニッポンドットコム)
この記事を読んだ方から「彼女の001%くらいかもしれないけど、いろんな人の力になれる小さなオードリー・タンでありたいと思う」という感想を頂き、ハッとした。自分ではない「誰か」を探すより、もし誰しもが心の中にオードリー・タンを宿すことができたなら。そんな人を社会に増やすことができたなら。社会がもっと居心地の良いものになると確信した。
このような経緯から、人生初の著書のコンセプトが私の中で生まれた。
「一人の天才を生むことは難しいが、一人一人の心に小さなオードリー・タンを宿そう」
この本の中には、ソーシャルイノベーションやハクティビストの話なども書かれていますが、大事なのは小さなオードリー・タンを心に宿すこと、つまり、社会が良くなるために小さくてもいいから行動することだと思います。
どうせ、自分のような影響力のない人間が行動しても変わらないと考えるのではなく、小さな一歩を踏み出していく、そんな姿勢が大事だと言うことを訴えている本だと思います。
あなたもこの本を読んで、心に小さなオードリー・タンを宿しましょう!
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