- 運営しているクリエイター
#庄司薫
庄司薫「白鳥の歌なんか聞えない」
庄司薫が気になる…
赤頭巾ちゃん気をつけてを読んで以来、僕はこの作家のことが頭から離れなくなった。
時々、無性に読みたくなることがある。あの饒舌体の思うツボなのが悔しいが、やはり好きなのだ。
庄司薫の本はもう本屋で売っていない。「赤頭巾」は大型書店でたまに見かけるが、それ以外の本はもう絶版なんだろう。
だから僕は図書館に行って借りた。2作目「白鳥の歌なんか聞こえない」
まず、読み始めてすぐに思
vol.141 庄司薫「赤頭巾ちゃん気をつけて」を読んで
東大紛争に翻弄される日比谷高校3年生「薫」くんの物語。
東大に進学するつもりだった彼の、ついてない1日(1969年2月9日日曜日)をしゃべり言葉で語る構成。第61回芥川賞受賞作。
なんのために大学に行くのか。自分はどう生きようとしているのか。自分の言動と内面との違和感。大人たちへの不信感。10代のころ身に覚えのある心の葛藤だが、その時代背景に興味がわく。1960年代の青年の目を通して、当時の揺