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『行方不明』という存在証明 (『行方不明展』感想)

弾丸で『行方不明展』を見てきた。はるばる日本橋まで電車を乗り継いで歩いて歩いて歩いて。躁のときでないとできない行動力だ。

私は基本的に「ホラー」が大好きで、特に設定のしっかりしたアジア系ホラーが大好物だ。最近流行りのフェイクドキュメンタリーやモキュメンタリー系のホラーも嫌いではないが、作者の嗜好や思考回路のようなものが逆にリアリティを奪い、逆にフィクション感が否めないため正直そこまで好きではない。

それもあってこの展示もそこまで期待はせず、ただ気になった程度の感覚で見に行ったわけだが、思っているよりはかなり没入して楽しめた。

会期は9月1日までのようなので、特にモキュメンタリー系のホラー好きな人は行ってみる価値はあると思う。詳しい説明は面倒なので、是非以下公式サイトを御覧ください。チケ代は2200円です。


それにしても日本橋という場所は私には合わない。実はセカンドオピニオンの心療内科が日本橋エリアにあったこともあって、個人的に嫌い(トラウマ)な場所の一つだ。どうでもええわ。


今回はその感想を、「写真」という形で残そうと思う。

念を押しておくが、実際に足を運んで、実際に展示の空間の中で「現物」を見るほうが感性的には何倍も価値がある。宣伝とかではなく、少しでも興味があるなら、そして何より動く気力があるなら、是非空気感を味わいに行ってみてほしい。

ちなみに物販もあり、そこでできるガチャガチャはおすすめだ。なんと100円なので、行った際は是非回してきてほしい。そして良かったら中身を教えてほしい。



目印。遠くからでも写真を撮っている人が見えたので、迷わずに着いた。


入り口付近に大量に貼られた「行方不明者」捜索のビラ。一見よくあるものから、よく見るとゾッとするようなものまで様々だ。



一段と目を引く一文。先に見た大量のリアリティ溢れるビラを見た直後だと、尚の事そのインパクトにゾッとする。



床に乱雑に置かれたゲーム機。開くと何が映るだろうか。


携帯電話は一人一台、そういうことだ。



誰かが大切にしていた者が「忘却」したという行方不明。恐怖と悲しみが混在する何とも不思議な感覚だった。


内容はもちろん、「ここまで来ても」ちゃんと文字が識別できる状態、というありがたさを知る。



「自分の記憶」が行方不明という恐怖。実際に起こりえそうな迫真にだいぶ恐怖した。





写真は他にも撮ったが、その中でのお気に入りの作品を共有させてもらった。

先述したが、写真と現物とでは空気感が確実に変わることは強調しておく。
会場全体がそもそもまとっている異様な雰囲気、まるで「行方不明者」を探しに来ているように見える来場者たち、そして、その中の一人たる私たち。

会場内には展示以外にもゾッとする仕掛けが当たり前のように存在している。是非探してみてほしい。是非、探してあげてほしい。



最後に、今回の展示で最も恐怖した展示を添えておく。キャプションは撮らなかった。そんなもの見なくても、分かるから。








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