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【前編】会社のオリジナルLINEスタンプ作ろうとしたら想像以上に苦労した話

はじめに

こんにちは。今年4月にドヴァのマーケティングサービス部にやってきたデザイナーのマリコです。元々はバックオフィス系の事務員として働いていましたが、絵を描いたり、デザインしたりすることが好きだったので、自ら志願し、ジョブチャレンジをしました。

この記事は、「企業のオリジナルLINEスタンプを作ろう!」と、右も左もわからないまま勢いで挑戦したけれど、見事に罠にハマった体験記です。これから企業LINEスタンプを作りたい、または作ろうとしている方は、これを読めば同じ失敗は防げるかも……!?

ちなみに、今回はクリエイターズスタンプの公式アプリである「LINEスタンプメーカー」は使わずに、自らイラストを描いて作成しました。

企画発足

2022年1月某日——。

密かにマーケティング部内で、弊社が開発した『RPAアシロボ』のオリジナルキャラクターを作りたいとの案が出ていました。社長もノリノリで、せっかくキャラクターを作るのであれば、LINEスタンプも作ろうという話に発展し……。

この時点ではまだ事務員だった私。当然知るよしもなく、ちょうどマーケティングサービス部への異動希望の相談を出したところでした。すると、その場で「だったら君、やってみない?」と、突然LINEスタンプ作成のミッションを任命されたのでした。なんという無茶振り。

~RPAアシロボとは?~
月額5万円から使える純国産RPA。従来のRPAはシナリオ(ロボットにどのような動きをしてもらうかの台本)の作成からプログラミング知識を要するものが多く、そういった知識のない従業者が使うには難しいものでした。『アシロボ』は直感的で簡単な操作によるシナリオ作成が可能で、誰でもすぐに使える便利なRPAです。

オリジナルキャラクターを作る

まず、『アシロボ』をイメージしたキャラクターなので、ロゴマークのロボットのシルエットを踏襲したほか、以下のコンセプトでデザイン作りを進めていきました。

・和風……純国産RPAという視点から
・侍……海外の方にも興味を持ってもらいたい(「サムライとニンジャは世界の憧れだ!」と言い切る社長のセンスによるものかも……)

LINEスタンプとして感情表現がしやすい、コミカルなキャラクターという方向性が固まり、最終的にでき上がったラフがこちら。

人々の仕事の手助けを生業とする、お団子大好きのロボット侍「アシ川ロボ太郎侍」と、その娘で、茶屋で働くしっかり者の町娘「ロボ美」です!!

このキャラクターでLINEスタンプを作っていくことになりました。

用意したもの&使ったもの
・PC :イラスト作成、クリエイターズマーケットへのアクセスに必要
・LINEアカウント:これがないとクリエイターズマーケットに登録できない
・お絵描きソフト:CLIP STUDIO PAINTと、Illustratorを使いました
・iPad :アカウント作成とイラスト作成に使いました

アカウント作成のつまずき

個人でスタンプを作りたい場合は、個人のLINEアカウントを持っていれば良いのですが、今回は会社のスタンプであるため、専用のオフィシャルLINEアカウントを作成します。さっそく、PCでLINE公式アカウントにアクセスし、新規登録を進めていきました。

……が、ここで最初のつまずき発生です。

2022年2月時点では、PC版からアカウントの新規作成ができませんでした!!

新規アカウントを作りたい場合、スマホまたはタブレットから、アプリ版で作成しなければならない模様。しかも、アプリ版LINEにはログイン、ログアウトという概念がなく、1端末=1アカウントという考え方になります。例えば、自分のスマホですでにLINEを使っている場合は、アプリ削除しないとそのスマホでアカウントを新規作成できません。つまり、一つのスマホ端末で複数のアカウントを使い分けることができないのです。

解決方法としては、LINEをインストールしていないスマホやタブレットがあれば、それにLINEアプリを入れて、そこから新規でアカウントを作成するのが一番スムーズです。今回は、会社のiPadを使って、なんとかアカウントを作ることができました。

アカウント作成には電話番号が必要ですが、固定電話番号でも問題ありません。登録した電話番号に自動音声で確認の電話がかかってくるので、流れてくる認証番号を端末に入力すればOKでした。

作ったアカウントで、LINEクリエイター登録を行います。アカウントさえ作れればこのあたりはスムーズに進みます。PC版LINEからもログイン可能です。

絵を描いていく……その前に

スタンプ作成にあたっては、以下のような流れで進めることにしました。

絵を描く前に絶対にチェックしなくてはいけないのが、LINEスタンプの規約です。絵の大きさや余白など基本的な決まりごとから、モラルや法律に関するルールが細かく決まっています。詳しくはLINEクリエイターズマーケットの制作ガイドラインをチェックしましょう。

個人的に今回気をつけたものをいくつか抜粋すると、

・人や動物の殺傷、撃たれる、刺される、拷問などの現実的なイメージを描いたもの
⇒侍といえば刀なので、刀は持たせたい……けど、刀で斬るなどの暴力的な表現はダメ
・アプリ・サービスなど企業商業用の広告、宣伝(求人募集等を含む)を目的としたもの
⇒あくまで自社製品の「アシロボ」をイメージしたオリジナルのキャラクターのスタンプなので大丈夫……!

スタンプのアイデア出し

自分一人ではなかなか良いアイデアが浮かばなかったので、アシロボの開発者にもアイデアをいただき、ラフを作っていきました。なるべく普段使いがしやすいものということでアイデアを出してもらいましたが、描いているうちに楽しくなってきて使いどころが謎な絵も生まれてしまいました。

作品の決定

最終的にどれをスタンプにするのかは、ランダムで社員数人に投票を依頼し、多数決で決めました。今回は8個作る予定だったので、この時点で個人的に推しだったロケットパンチロボ美は惜しくも敗れ、作成を見送られることに……(実は、後に復活を遂げますが、それはまた後述します)。

絵を描いていく

決まったラフをもとに、一つずつ絵を描いていきます。仕事の合間に、毎日少しずつ描いていきました。

初期の段階では、ロボ太郎侍に眉毛と髭(ひげ)はなかったのですが、社長からのアドバイスによって付け足し、侍感が大幅アップしました。自分だけでは思いつかないことも多いので、周りの方々にアドバイスをもらうのも重要です。

ついに完成

そんなこんなで、なんとか8個のスタンプを作成することができましたー!

ここまで来れば、あとは申請して発売するだけ……と思っていましたが、なんとここからが大変なのでした。

公式シミュレーターの謎

LINEクリエイターズのマイページには、作ったスタンプを確認する機能があります。シミュレーターを使うことで実際に近いLINEの画面で、スタンプを送ったらどのように表示されるかが確認できます。

申請の前にスタンプをシミュレーターで確認してみると……。

なんか画質がボヤけてる……?

このスタンプの大きさは、規定通りの「W370px×H320px 解像度72dpi」です。元絵との比較はこちら。

やっぱりシミュレーターだと画質が……(´・ω・`)

なぜなんだろう……? シミュレーター上でいろいろと試していく中、「W240px×H240px」の正方形サイズにしてアップしてみたところ、なぜかこのサイズのときだけシミュレーター上での画質が安定しました。

シミュレーターの環境でのみ、このようなことが起きるのか? それとも用意したデータに何か間違いがあってこういう風になるのか? 本番でも同じようにボヤけるのか???

……などなど、謎は深まるばかり。とても不安です。

そして申請へ

しかし、シミュレーター上では「W370px × H320px」でも、「W240px × H240px」でも、見える大きさはほとんど同じ。シミュレーターを信じるのであれば、240pxの正方形サイズに統一したほうが、ボヤける可能性もないと思ったので、このサイズに統一して申請しようとなりました。

結論から言うと、シミュレーターを信じすぎてしまったのが大きな間違いでした……。

(後編へ続く)

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