見出し画像

今さらM-1のPVを考察する

どうも、ランジャタイが
夢に出てきたテツです。
いやコンビでとかじゃなくて。
国崎で一回、伊藤で一回。

観ました?M-1。

あなたはM-1観たあとに
総評読む方ですか?
それとも台無しにしたくないから
あまり考察見たくない派ですか?

僕は後者です。

えっじゃあなんなんこの記事
誰が誰に読ましてんと思うかも
しれませんが、待ってください。

これは本編じゃなくて、
PVの方の考察です。

本編について触れると
それでまた記事一つに
なってしまいますし、
さすがにそれはお門違いなので
映像屋は映像屋らしく
このPVがどれだけ
素晴らしかったのかを
遺したいなと思ったのです。

まぁ、お笑いですので、
気楽にどうぞ

イントロ

一気に冷え込み、秋はどこ
行ったんだと全国民が思った
今年の冬。

どこまで想定済みだったのか
知りませんが、この冒頭の映像、
そして選曲は、2023年の冬を
象徴するかのようです。

曲自体は4年も前なんですけどね。

元のPVもバラッドが
似合いそうなゲレンデで、
まさかのピアノロックをする
というなかなか尖ったものです。
(つーか考察するなら普通
そっちをせえよ)

0:05

爆笑が、爆発する

いきなりテーマ。

ここからしばらくですけど、
変わりなりにも宣伝PVで
あるのに、「M-1グランプリ」の
単語がなかなか出てこなかった
のは、中々驚きましたね。

このキャッチコピーは、
昨年優勝者のウエストランドが
所属する事務所が、タイタン
だっからだそうですね。

つまり、爆笑問題と同じです。

昔ほどではないにしろ、
(それこそマヂカルラブリーの
優勝が転換点だったと思います)
吉本の優勝が当たり前だった、
M-1において、吉本以外の
事務所の優勝というのは、
それはもう快挙と言える
ものでした。

だからこそ、タイタン優勝という
他事務所へのエールの意味も
混めて、このキャッチコピー
なんですね。

0:20

こっからですよ。

これを見てこの記事を書こうと
思いました。

「白黒」(おそらく「雪」から
連想されたもの)というテーマに
沿って、思い付く限りであろう
演出を盛り込んでいます。

ロトスコープ、版画、
キネティック・タイポグラフィ...

一番驚いたのは、3Dモデルの
リグむき出しですね。
誰が分かるんですかあんなの。

やたら経費かかることを
したがるのがテレビなので、
これがAI生成なのか、
それとも実際に作ったのか、
分からないのが怖いところ。

どっちにしたって挑戦的
すぎますけどね。

0:30

断崖絶壁 切り立った崖の その切っ先に立ってんだ

正直言って、このPVを
見に来た人は、芸人を
見に来ているんですから、
普通歌詞の方に気なんか
向かないと思うんですよね。

そこを逆手にとってのまさかの
冒頭から歌詞PVですか。

結局どこまで創り手の
計算範囲内なんでしょう。
それで賛否両論にならず
圧倒的に視聴者から市民権を
得てるんだから恐ろしいです。
(一応言っておきますが誉めてます)

にしたって「未来」の歌詞に
一筋の光が指す演出、
良すぎないですか。

この「始めることも終わらす
ことも出来る」という歌詞
も残酷です。

wikiにはこうあります。

出場資格を「結成から10年以内」
としたのは若手漫才師の大会に
する、という理由のほかに
「10年芸人を続けても3回戦に
進めないようなら、見切りを
付けて他の道に進んだほうが
本人にとっては幸せである」
という紳助の考えに
よるものである。

M-1グランプリ」『ウィキペディア日本語版』。

今は亡き(コラ島田紳助による
とてつもなく厳しい目線からの
運営方針。

これを見た売れていない
芸人は一体、どのような
気持ちになるんですかね。

よくこんなリンクした歌詞を
持ってきたものです。

0:48

ちょっとしたお笑いじゃあかんっていう
あかんもう無理やって言う笑いが
やっぱ爆発なのかなって

ヘンダーソン 中村フー

なんか毎年のPVのせいなのか
芸人はM-1の密着カメラを
向けられるとカッコ付け出す
らしいですね。

そりゃそうでしょう。
普段「面白い」と言われてる
人達が、この時だけは
「カッコいい」と
言われますからね。

にしたって何で舞台立つと
人って、あんなに
カッコいいんでしょうかね。

あとM-1は、毎年密着カメラの数
をアピールしてますが、
これだけのカットが
スローモーションに出来る
って事は、全部にハイスピード
撮影機能搭載?しかもカラマネ
してるから全部10bit撮影?

経費エグ・・・。

1:05

感動させたくないだけはありますね

真空ジェシカ 川北

去年のウエストランドが
まさにそうなんですけど、
この真空ジェシカ川北の
「感動させたくないだけはある」
というコメントのように、
「お笑いがカッコ良かったり、
感動したり、素晴らしいもので
あるはずがない」という考えの
芸人さんって結構多いんですよ。

有名どころでは永野、
マヂカルラブリー野田、
ランジャタイ国崎(なぜか
ツッコまない伊藤はめちゃくちゃ
お笑いにアツい)あたりですか。

思想的には旧くは
横山やすし師匠あたりが
近いんじゃないんでしょうか。
知らんけど。

「この人は売れないとおかしい!」
という人でもない限り、
芸人とは何事も全うにできず、
不器用にしか生きられない人が
ほとんどだというのを、
誰よりも知っている、いわゆる
地下芸人出身の方が、
この思想の傾向に強いと
思います。

でもなんだろう、そういう
「笑えるかどうかがすべて」
という姿勢が、かえって
めちゃくちゃカッコ良く
見えるという。
営業妨害でしょうか。

1:15

やっぱりお客さん笑かしたくて来てるから
どんなおっさんでもね

バンビーノ 石山タオル

バンビーノ石川が
「どんなおっさんでもね」の
あとに映るのは、芸風が
大阪ホットな事でお馴染みの
TOKYO COOL。

このPVはこのように、
曲の歌詞、芸人のコメント、
カット割が、それぞれ影響され
あっているように出来ています。

「M-1にPVなんている?」に
対する応えとしては、この曲、
この舞台でしか出来ない演出を、
極める事しかないのでしょう。

1:25

奥さんと子供が幸せであれば
僕の幸せはどうでもいい

鬼としみちゃむ 鬼沢

鬼としみちゃむの鬼沢の
かっこ良すぎる台詞。

この時は率直にかっこいい人
だなと思ってたのですが、後日
よしもと漫才劇場チャンネルに
上がった、鬼としみちゃむの
漫才を観て、ひっくり返りましたよ。

破天荒、好き勝手、
「これで飯を食わすんだ」
というその覚悟と狂気が、
これまた面白いですね。

1:28

腹を決めろ まさに今

いつ頃か設けられた
ラストイヤーパート。

その扱いの良さの降れ幅は年々
大きくなっており、今年はとうとう
「腹を決めろ」と突き放しました。

トップバッター優勝という
中川家以来前人未到の偉業が
達成された今年のM-1ですが、
ラストイヤー優勝も、歴代で
見ても、とろサーモンしか
成し遂げていません。

無謀、だからこその
腹を決めろなんですね。

1:40

新世代と戦うって感じです。
もう、自分を貫くという事ですよね。

ゆにばーす 川瀬名人

正直、決勝までピンと来なかった
コメントですが、優勝者の
令和ロマンを、最も的確に
言い立てたコメントです。ヒエー

1:46

まぁ、負ける気はないですね

ななまがり 森下

勝つという覚悟じゃないですかね

トム・ブラウン みちお

ななまがり森下
トムブラウンみちお
確かに漫才熱があり、芸人仲間への
愛も深い2人ですが、やはり
先ほどの鬼としみちゃむ同様に
普段の芸風が頭をよぎる...

どんな事をしてでも笑わせたいから、
どんどん芸風が尖っていく。
でもそれはお客が求めるから。

そういう意味では今回のさや香の2本目も、
筋が通ってて好きなんですけどね!

2:03

これ以外は楽しくないんですよ、本当にね
変な生き物ですよ

オダウエダ 植田

今回最もアツかったであろう
オダウエダ植田のコメント。

去年(たしか)の阿佐ヶ谷姉妹の
「面白いおばさんに
なりたいんですよねぇ」という
コメントもそうですが、
女性芸人は稀有なものである
からこそ、こういうコメントも
ありますよね。

ちなみに令和ロマンのくるまが
マジで変な生態を言った後に
「変な生き物ですよ」で締める
ネタを擦ってるのが好きです。

2:15

そして絶賛落下中
やっぱ最初は全然上手く飛べないなぁ

このパートが良いと思うのは、
決勝経験者という括りは
そうですけど、割とテレビや
劇場で、もう食っていけてる
いわば有名人の人たちなんですよね。

極論、冷たいこと言えば、わざわざ
M-1に出続ける必要もないはず。

それでも出ない選択肢など、
はなから無いのでしょうが。

2:33

決勝進出者発表のシーン。
これ単体でも動画が上がって
いますが、毎年言われているのが、
選ばれた人以外の、拍手や
激励を飛ばす人たちの素晴らしさ。

10年積み上げてきたものが決まる
大会で普通、そんなこと
出来ませんってばやっぱり。

だからですかね。
恐らくPVの演出面で、
名前が呼ばれなかった人に
スポットが当たったのって、
今回が初なんじゃないでしょうか。

3:05

もう一秒だって今の自分で居たくないんだ

個人的にこの歌詞めっちゃ
好きなんですよね。

PVとも良く合ってると思います。
決勝進出者は人生が変わり、
敗退した人は敗者復活への
ネタ合わせ、また来年以降の
ネタ作りに一向も早く
向かいたい、という。

3:15

ひっくり返して遊ぼうぜ

人生かけてまでやる事が、
ひっくり返して遊ぶことですよ。

見始めた時、このPVは果たして
ウエストランドの意思を継いでるのか?
という点が気になっていたのですが、
結論はこれでしょう。

おもろかったらええやん。

令和ロマンのネタに出てきた
吉本社員じゃないですが、
本質がいつまでも変わらない
ってのは、なんだかんだ
凄いと思います。

3:27

絶対に終わりじゃない!

鬼としみちゃむ 鬼沢

ここでも激アツコメントを残す
鬼としみちゃむ鬼沢。

一番グッと来る場面ですが、
この人があの奇声漫才を...🤔

3:42

雪が降りしきるなか、歩みだす
芸人達。

たとえ優勝したとしても、
あるのは風当たりの強い、
コンプラばかりのメディア。

でもはなからそんなのは承知で、
いや、承知じゃなくても、
売れるのが絶頂でさえあれば、
苦でも何でも良いのでしょう。

3:53

別にM-1に変えてくれと思って無いですね
自分で変えるんで

さや香 新山

なるほど「見せ算」があれば
こういうコメントも出てきますよね。

もはや優勝はゴールではなく、
いかに新しく、やりたい事やって
優勝するか。

もし「見せ算」が今後、変貌するなら
とんでもないことになると思ってますよ。

4:00

この動画の尺です。
これは、M-1の舞台で漫才師が持つ
持ち時間と全く同じ長さです。

漫才師が本気ならば、
編集者も本気です。

------

いやお笑い考察やないか結局!

うんまぁ、良かったですけどね。

私的で過激な意見ですけど、
映像屋がしゃしゃり出る編集って
ゴミですし。

素晴らしい映像素材が100点ならば、
そこに120点になるようなブーストを
かけるのが動画編集だと思ってますから。

そう意味では今回のPVは、
素材1兆点、編集で1兆2000億点
ぐらいですけどね。

PVって良いですよね。
お笑いにも活かされるというのは
近年の一番大きな発見の一つです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?