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61 - 嘘と気づき

「あなたすてきだわ」彼女はいった。「こんどはわたしのことをお話しましょうか? わたしは貧乏人の家に生まれた小娘で、のんだくれの両親にいつもぶたれてばかりいたもんだから、こんなにやさしく、けがれなく、器量よしに育ったの。ある日、英国皇太子がポロの球を路地へ打ちこんだのが縁で、わたしを見そめて、結婚を申しこんで、めでたしめでたしってわけ。さあ、もう本に戻らなくちゃ」(『クレイジー二人旅』)

61(*60はこちら

メモ:〇の目覚め

Johnny Cash(ジョニー・キャッシュ/以下”JC”): このメモ何?

Chantrapas(シャントラパ/以下”C”): 「〇の目覚め」いきますか。

JC: うん。

C: 〇ちゃんの話だけど、「全部嘘なんだな」って気付いた瞬間の話を聞かせてくれたのね。なんだか急に思い出したって。

JC: おん。

C: 小学生の頃に橋を渡る行事があったんだって。違う学年の出席番号が同じ子と手をつないで、完成した橋を渡る。

JC: うん。

C: 「いやだなぁ」と。一言も喋らず下の学年の子の手を引いて行事を終えたら、翌日の新聞に「やさしく手をひくお姉さん」と。

JC: ははははは。

C: 「私そんなこと思ってない!」って。まったく身に覚えの無いストーリーとともに写真が載った。はははははは。

JC: あぁぁ……。

C: 今思うとその時に理解したのかもしれないって。

JC: ホログラムに近付いた瞬間。なるほどね。

C: 自分自身に起こった「嘘」の話。これ悲惨じゃない?

JC: 悲惨だね。写真には写らない何かというのがあるのかもしれないけど。

C: 「真実とは」ってなる。傷ついたって言ってた。

JC: 傷つくね。何が傷つくって、自分の偽善性が増すからだよ。

C: そうそう。はははは。

JC: 問題はそこだよ。急に「偽善者!」って言われても……。

C: 嫌だと思ってたのに、綺麗なストーリーにされて写真が載る。

JC: けっこう覚醒に繋がる出来事。

C: ある意味あってよかった。

JC: そうね、そうそうそう。そういう体験ですよ。

C: ちなみに、〇の目覚めをJCの目覚めに置き換えると何? 外的な出来事で。

JC: 温暖化だよね。

C: おん。

JC: 地球温暖化を自由研究でやった時に……やっぱり温暖化は朝日新聞とかが好きなんだよね。教育委員会とか来た。「やれやれ」って。

C: そうなんだ。

JC: その頃から都合良かったんだよ。「温暖化どころじゃないな」と自分は気付いてたけど、それ以上の話は「するな」って。教育委員会からストップがかかったんだよね。衝撃が大きすぎるからって。

C: 検閲が掛かったのね。小学生相手に!

JC: そう、検閲掛かった。四年生か五年生くらい。「なんていう馬鹿だ」と思ったけど、けっこう泣きそうになったね。

C: 傷ついた。はははは!

JC: 傷ついた。本当はもっと色々あるよと思ってるのに。

C: みんな傷ついてるんだ。

JC: 二酸化炭素では温暖化しないなと思ってた。はははは。

C: ニュージーランドでは羊のゲップ税やろうかとなってるね。(※リンク:ニュージーランド、ウシやヒツジに「げっぷ税」課税案 温暖化対策で|ロイター)

JC: すごいねぇ……斬新。

C: まだやる。

JC: ニュージーランド、オーストラリア、どこに向かってるんだろう。

C: その流れで、わたしのテレビデビューに訂正があるんだけどいいかな。

メモ:訂正あり(わたしのテレビデビュー)

C: 初めてテレビに映った時の話を以前したでしょう。イラク戦争。

JC: うん。

C: それ違った。思い出した。小学校六年生くらいなのかな、将来の夢を語ったよね。

JC: テレビで?

C: うん。小さい頃に夢とか一回も持ったことない……だけど何か言わないといけない。それで、言えてしまうわけですよ。

JC: そうね。「イラクが悪い」って……。

C: それ違うよ!

JC: はははははは。

C: それ切り取りだから。ははは。イラク戦争について答えたのは「(空爆は)あり得ないです」って。反戦のメッセージ。

JC: そっか。

C: テレビがどの文脈に載せたかは見たわけじゃないから知らないけど……「出てたよ」って何人かから言われただけ。

JC: くくく。

C: 使いやすかったんだろうね。で、その小学生の時に言ったのは、

JC: うん。

C: 夢ね。「弁護士になって、安いお金で困ってる人を救いたいです」って。

JC: ……。

C: そりゃ放送されるよね。

JC: されるなぁ……。

C: その時の放送は見たのね。びっくりした。めちゃくちゃ体が揺れてた。

JC: あぁ。

C: すごい揺れてる。すごいショックで傷ついた。

JC: 嘘がバレるタイプ。ははははは!

C: ははははは。その夢どう思いますか? あえて聞いてみよう。

JC: 弁護士になって?

C: うん。安いお金で困った人を救う。嘘の夢だけど。

JC: ね……うん……。そんな夢持つ人いないよね?

C: はははは。採用される答え。正解が言えた。

JC: いないからでしょう。

C: 打算的すぎる。

JC: すごいよね。そうね、DS……さらに高まったよね。イルミナティ……。

C: 白い歯見せて笑う

JC: 北欧出身。工作員かな、と。

C: やばい子供だね。

JC: そういう器用さって……実は大事だからね。

C: フォローしてくれる。

JC: ストーリーテラーだもんね。でしょう?

C: うん。

JC: それがちょっと偽善的であっただけであって……はははは!

C: 偽善的かつ場にも合わせちゃう。

JC: そうね。出来ちゃうってのは仕方ないこと。言えちゃう。

C: 嫌だなぁ……怖いな。

JC: こわいこわい。〇ちゃんと現象が真逆だね。

C: 三者三様で面白い。

JC: そうね。

C: ある意味目覚め。じゃあ……次は北欧の話をしよう。ちょうどいいね。

つづく


2022年6月21日 doubles studioにて録音

ダブルス・ストゥディオ
Johnny Cash (thinker/artist) & Chantrapas (designer/curator)

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