6 - 取引現場、ホログラム、メタファーの罠
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Chantrapas(シャントラパ/以下”C”): BGM決まった?
Johnny Cash(ジョニー・キャッシュ/以下”JC”): うん。
C: マイクチェック……オッケー。二回目の録音だね。まずはReal deal。取引の現場を押さえておこう。絵を見せてよ。
JC: どこにしまったかな。
C: 一日何枚くらい描いてるの?
JC: 一日2か3。2が一番いいなと思うけど、いい時はやっぱりいっぱい描くね。
C: ノリ?
JC: ノリ。あった。
C: じゃあ今日はこれ見ながらやろうかな。「カネに意味などなにもない/だがなによりも役に立つ」なんて。お金どうぞ。
JC: ありがとう。あれ(『白と黒の恋人たち』フィリップ・ガレル監督、2001年)ほとんど実話でしょう。
C: JCの好きな映画だったね。友達がDVDを送ってくれて観たばかりだよ。最近の絵どれも良いよ。すごく好き。
JC: いいなと思っているやつほど反応薄い。
C: これはいいなと思ってる作品?
JC: いいなと思う……けど、「これはよく描けた」と思うやつとは違うのよね。逃げじゃないけど、落ち着かせている部分があるから。
C: そこがフックというか、わかりやすさ。
JC: そうだね。そこは慣れているのよ。音楽でもそうだった。この曲いいなと自分が思った曲はあんまりウケない。
C: みんな言うね。
JC: それは鉄則。これくらいでいいやと思って書いたら、それはやっぱり本当にウケないし。微妙なバランスだね。
C: 紙と紙を崇めながら。
JC: そうね。いつまで使えるか……新札に代わるんだよね?
C: 渋沢栄一?
JC: 渋沢栄一の時に預金封鎖やるかもっていう話だよね。
C: 配りまくった後で。
JC: 今出さなくてどうするのかなって気もする。今出したいでしょう。
C: 出したい人と出したくない人と。
JC: そうだね。
C: そんな風にやってくれているうちはある意味平和なのかもしれない。「関所」が多ければ多いほど。
JC: そうそう。
C: 足の引っ張り合いが多ければ多いほどね。
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