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映画『キリエのうた』を観たが配役でウケる。

また前情報ほぼなしで自宅で観た。

2009年生まれの娘といっしょだったので、途中、震災のこととか登場するミュージシャンはあの曲のあのひとだとか解説しながらになった。

広瀬すず、アイナが映るティザー動画を数分観たくらいであとは記憶に残さずに忘れていてあらすじも知らなかったため、えぐい描写が来た時は娘に申し訳なく思った。
しあわせなベッドシーンは娘の要望で早送りになったが、2回目のベッドはしっかり観た。こちらのほうは感情の変化が重要だったため。

岩井俊二の作品なので、レイプや死、肉体を傷つける描写があるのはいつものことだが、今回も急展開があったり最後まで何なん……ていう謎が解けないままの設定があった。

映像が美しい、音楽が効果的、話しの筋より人物の雰囲気で鑑賞するのは当たり前だが、こちらの映画は配役が最大のツボだった。
奥菜恵、石井竜也、大塚愛、吉瀬美智子、江口洋介、、、
出てくるたびにウワァーーーッていちいち声に出して歓迎した。(急な粗品も。)
自宅で観ててよかったわ。
娘は江口洋介を見る度、「あかほし!」と言う。(コンフィデンスマンシリーズが好き。)
岩井俊二だからこそできる贅沢(無駄に)起用。
もう商業映画やめるつもりなのかなと思ってしまう勢いだ。
配役にはさまざまな理由があるんだろうけれど、サプライズ感がすごくて最後の最後まで画面をがっつり見ていたのでそういう効果はあったと思う。

全体をまとめるとアイナ・ジ・エンドはすてきな歌手だね、という映画。
私は特にファンではないが観ていて歌は良いし、話し方も雰囲気も良いし、演技も良いし、撮りがいがありそうだな、と思った。
神社のシーンが個人的に一番好き。
こんな強い女いるかな?って娘と話した。
いたらいいよな、っていい意味で驚いた。男の妄想かもしれないな。
とりわけ好きではないが、彼女をくりかえし見たいしこれからどんな歌手になっていくのか俄然気にはなってきた。
いま撮る意味はあったと思う。
女は若ければいいってことじゃないけれど、あの感じはもう永遠に失われるし、例えば『海街diary』の頃の広瀬すずは永遠に失われて、今回の高校生役はおとなになった女優が学生を演じている感じだった。
(おとなになってさまざまな変身をする広瀬すずはそれはそれで眼福だった←ただのファン。)
年齢、詳細不明なまだ揺らぎのあるアイナを映像に残すことには大成功だと思った。
ほかの作家のではなくて、この作品のアイナが残ったのが私はいいと思った。

監督はほんとうに黒木華が好きだよな。
気持ちはわかるよ。
リップヴァンウィンクルの花嫁
もう一回観たくなった。
あれは黒木華の魅力の暴力体験だ。
観る側が打たれるって意味でね。好きじゃなきゃ何も感じないと思うけど。
娘はお婆さんみたいって言ってたがある意味、老成した少女っぽくてその通りではあると思う。
あの話しは滅茶苦茶だ。
人間の無邪気な悪さが抽出された後味の悪いこの上なく美しい映画。

ラストレター』も配役が好きだ。
福山雅治のキモさが遺憾なく発揮されていてゾクゾクする。(犯罪級)
松たか子が全編を通じてただただ爽やかでまっすぐなだけに、未咲にこだわる男たちのキモさがすごい。(未咲の広瀬すずは完璧。)
豊川悦司と中山美穂の化け物感もよかった。(俳優として最高の演技!)
森七菜のかわいさは言うまでもない。


その俳優のそのときの空気感がパッケージされている。
それを現場で抽出できるのが岩井作品だとあらためて思った。


私はなんとなく映画や俳優を観てるだけの人間だ。
すてきなひとを、すてきな様に撮って残してくれる映画はとても有り難い存在だと思っている。

私に残せるのは、せいぜい家族や友人のスナップショットやこのように書いている駄文においてのみだ。
死後に掘り起こされては困るので、インターネットが爆発しないなら自ら消そうと思う。



覗いてくれたあなた、ありがとう。

不定期更新します。
質問にはお答えしかねます。

また私の12ハウスに遊びにきてくださいね。






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