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【偶然の先とは】 映画「偶然と想像」

ずっと後悔してるから。自分の大切な感情のために戦わなかったことを

必然の偶然、偶然の必然。どちらの並びを選んで、誰しも思い出すことがあると思う。

偶々目にしたお洋服。偶然、遭遇した雨上がりの完璧な虹。旅先でひょんなことから交差する運命。

小さな偶然が、その後を大きく左右してしまうこともある。そして、その偶然を巻き戻すことは叶わない。

それらの偶然と、そこから派生する余波を、丹念に、静かに描いた作品。

一度でも私と向き合ったことある?

素直って、向き合うってどういうことだろう。ただ何も考えずに思いついたまま言えばいいという話ではない。でも、飲み込めばいいってことでもない。

「本当」のことを求めて相手を傷つけてしまう自分に、返す刃で傷ついてしまうこともある。でも、その「本当」だってあやふやなんだ。

周りの尺度に自分を測らせない。

今まで誰も言ってくれなかった、救いの言葉をかけてくれた初めての人。その後の偶然は、ありえないとは言えなくて、辛い。その後のことは想像するしかないところも。

お互いに空いてしまった穴で、今も繋がっている。

お互い付け合った傷で繋がっているなら、いつかその傷すらも愛おしくなるのかも知れない。だって、この心の傷が有る限り、あの人とはきっと、ずっと、繋がっていられる。いつも思い出すわけではなかったとしても。

そういう愛の形もあるのかも知れない。そういう風に思い出す人がいてもいいのかも知れない。

ギリギリセーフ。間に合って、本当に良かった。近年の中で、ダントツに最高の邦画だった。脚本が欲しい。無いなら円盤を買うしかない。

記憶に刻みつけるため、もう一回観に行こう。

明日も良い日に。


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