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【陰謀とは】 銀河英雄伝説 Die Neue These 「激突」 第2章

国家というものは、下から上へ向かって腐敗が進むことは絶対にないのです。まず頂上から腐りはじめる。ひとつの例外もありません

銀河帝国、自由惑星同盟、フェザーンそれぞれの思惑がかなりはっきりと描き出された回でした。

特にフェザーン。「国」ですらない自治領が、如何にその小回りと経済力を最大限に活用し、裏であらゆる陰謀の糸を紡いで全てを飲み込もうとしているか。それらの布石が早々に確立されました。

鎌倉時代のように人と人の距離感が物理的に近くてもはかりごとは多くなりますが、宇宙時代のように広くなりすぎても、やはり人と人の駆け引きや頭脳戦は増えるのです。

ようやく登場したケッセルリンクの、漫画「サンクチュアリ」を彷彿とさせる上品ヤクザっぷりに笑ってしまった。そうか、そうきたか。

フェザーンの陰謀力は、現段階ではオーベルシュタインよりも一枚上。しかもその力を持っているのはルビンスキーやケッセルリンクといった表舞台の人間だけに留まらず、ドミニクのような人間もゴンゴン奥深に絡んでいく。(そしてケッセルリンクとの関係性も仄めかす)ここも意外と大きなポイントだと思う。

フェザーンの構想を看破しうるヤンは、民主主義の軛故に、フェザーンを阻止できない。戦略眼はヤン以下だけれど、それを情報で補っていくオーベルシュタインも、フェザーンの壁が厚すぎて、十分な判断材料は得られない。

3国がいかにバランスゲームを繰り広げているのかがよく分かる。ノイエならではの演出だ。

こんな大局の中、会話劇も盛り沢山。

ケンプが「ワルキューレ乗りから始めた叩き上げ」であることを忘れていたけれど、これがナレーションで入ると為人がくっきりする。そうか、他の提督たちと雰囲気が違うのはそのせいか。

そんな叩き上げ系ケンプ一家の団欒もしっかりと描かれる。息子ちゃんたちが「ご褒美」を作ってパパを待つ健気な姿に涙。そうね、パパはご褒美を貰えるよ... 二階級特進という名のご褒美を...

査問会では、田中芳樹的毒舌劇場の真骨頂。

査問会のやりとりは、上品な毒舌の教科書だと思う。ああ、かくありたい。でもあんなに頭の回転早くない。残念。

ここまで器のちっさな大人たちにいびられても尚、民主政治の方がまだマシであるというヤンの信念に感銘を受けてはや35年(?)。査問会での会話は、何度読んでも聞いても古びない。

あれこれ盛り込まれて物語は進みます。次はいよいよ今シーズンラストの、「要塞vs要塞」!

そうそう、今回の特典もカルタでした。コンプする人おるのかな…  おるんやろな…

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