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世の中、天才だらけなんだなあ、な2019年の総括

今年もあと残すところ7時間。おせちの準備も終えて一息ついています。少しだけ、ぽっかりとした時間。

エアポケットのような時間にあれこれ振り返りがてら、今年私が「すわ、天才かよ!」と思った人々を、改めて一挙ご紹介させてください。順不同。強いて言うなら、ねえねえ、みんな!この人を是非知って!いいから一度見てみて!な順番です。

まず、

劇団おぼんろ主催の末原拓馬さん。

脚本、演出、役者全てを手がける末原さん。おぼんろの紡ぐ世界は、ファンタシーでありながら普遍性もある。想像力をフルに回転させつつ、テーマは今生きている我々の世界とも地続きです。そして何よりも、優しい。果てしなく優しい。キンキラキンのラブにあふれています。今年拝見した劇団公演は2回。

2月のビョードロ

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6月のかげつみのツミ。

10月には、末原さんの即興芝居にシモシュさんがこれまた即興で音楽をつける、しかも芝居のテーマはお客さんからの投げ銭制、というウルトラデカダンスな公演にも参加しました。即興芝居を7本くらい?合計3時間以上ノンストップでやっておられました。しかもしかも、これ、本当に即興?!脚本あったんじゃないの?!って思うくらい、末原さんは悩まない。すらすらすらすら、出てくる出てくる、かけ流しの温泉のごとく、珠玉の言葉が次から次へと溢れ出す。言葉の神様が、彼の身体を依代にして、東京都北区に降臨したもうたのかと思いました。

しかもかっこいいんです。ずるいねえ。

勢い余ってクリスマスイブの即興ライブにも行きました。来年も彼を追い続けることでしょう。


成河さん

俳優さん。彼の役の深め方と俯瞰の視線がとにかくすごい。演劇モンスターとはこの人のことだなあ、と思います。しかも、全てに妥協がないのに、物腰は柔らか。身体能力も高い。数年前の野田MAPの公演で、手錠か何かをしながらぴょーんと飛んだ姿が、ネコ科の王者然としていたのが記憶に残っています。ライオンっていうよりも、チーターとか、リンクスとか、そういう身のこなしな奴らの印象です。

チョウソンハさんのお名前で活躍されていた頃の公演もかなり見ていたのに、全然2人が繋がっていなくて、最近ようやく繋がった次第。ゴメン...

今年拝見したのは、
ジーザス・クライスト=スーパースターと、タージマハルの衛兵。スリルミーの抽選を落としたのが無念すぎる。


来年も着いていきます!


劉慈欣さん

「三体」の作者。久しぶりにぐんぐん引き込まれたSF小説。3冊ものでこんなにのめりこむように読んだのは、「ドラゴンタトウーの女」以来じゃないかしら。

宇宙物理学と文革と宇宙人とのファーストコンタクトとVRゲームをマッシュアップさせ、さらに銀英伝までまぶしちゃって、どこまで好きを混ぜたら気がすむの!ってくらいにてんこもりにしているのに、胃もたれしないってどういうことだ!

彼の別の作品、Wandering Earthという映画が中国では公開になっていますが、日本は公開未定。

ざっくりとした粗筋は、膨張する太陽が爆発する前に、地球の自転をまずは止め、そして太陽側にロケットブースターを一杯仕込んで、地球そのものを宇宙船に仕立て上げ、みんなで外宇宙へ脱出しよう!というナンダソレ設定の作品です。

そこまでの科学力があるのに、途中の木星の引力の計算ミスで、地球が木星に引っ張られてあわや大衝突か!みたいな場面があるのですが、ねえねえ、地球の自転を止められるあなた方がそんなミスってありえます?!っていう、中国っぽい爪の甘さもご愛嬌。笑。

中国SF、ハンパネエ感を改めて感じた作品でした。(機内で視聴)

原作はお正月の課題図書として買ってきました。

次点に、ナウシカ歌舞伎の七之助さん。「いだてん」の存在感も素晴らしかったのですが、なんたってクシャナ殿下でございます。

人の生活に必要なのは衣食住、と言いますが、衣食住が足りてない時でも、人は歌を歌ったり舞を舞ったりして、生活に潤いをもたらす工夫をしていました。だから、エンタテインメントとは、プラスαの存在というわけではないのだと思います。

自分から少し距離を置いて、しばしあれこれを忘れて涙を流したり、笑ったり、少し考えたりして、劇場を後にする。私もなんども劇場や映画館やライブハウスに救われた人の一人です。

そういう場に少しでも関われることに感謝を。

来年はどんな物語に出会えるかしら。一期一会に、一足先に、感謝を込めて。

言葉は言霊!あなたのサポートのおかげで、明日もコトバを紡いでいけます!明日も良い日に。どうぞよしなに。