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【ただの民とは】 大河ドラマ 「青天を衝け」 第31話

ずっと男たちを見ているだけだった。何を企んでいるのかも、外で何が起こっているかも分からねえで。その惇忠が頭下げてきてるんだ

富岡製糸場の立ち上げに関わった外国人が赤ワインを飲んでいるのを見て、「あの工場の外国人は、若い娘の生き血を飲む」なんて噂が立ち、なかなか女工が集まらない中、惇忠は娘のおゆうに、富岡製糸場で働いて欲しいと頼み込む。

おゆうと母という、たった一世代の間に起きた女性の社会進出を描き、今ならきっと春秋砲の餌食になったであろう栄一の女性問題を描く。女性側の物語がてんこ盛りの回でした。女性脚本家ならではかしら。

栄一が女性問題で引退を余儀なくされてしまっていたら、近代日本は成立していなかっただろう。何なら西南戦争で西郷どんが勝つなんてパラレルワールドがありえたのかも知れませぬ。

そんなびっくりぽんな展開でも、旦那さんに「恩に着る」という言葉を言わせしめるお千代ちゃんの懐の大きさよ。かくありたい。#懐の大きさだけな #あっちの人でなくて良かったというさりげない台詞のなんと恐ろしいことよ

俺の道は官ではねえ、ただの民なんでえ

女性サイドの物語だけでもボリューミーなのに、銀行を設立し、西郷さんとの(多分)最後の晩餐を描き、その2件をきっかけにして栄一が民間に戻るまでを入れ込んでいく。

ここまでの宮仕えで成し遂げた租税改革、鉄道、郵便、銀行等々のどれか1つだけでも十分な功績だろうに、実は栄一の功績的には、まだまだ序の口なのだ。

この人が江戸時代の半ばにでも生まれていたら、優秀な藍農家で終わっていたんだろうな。これはヤン・ウェンリーにも通じること。どの人も、この時代に生まれるべくして生まれている。

そして一番の戰慄は、今年中に論語を読もうと思っていたのに物語に追いつかれつつあることだ。#やばい。

...時が足りねえ

明日も良い日に。

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