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連載⑧>自然がもつ不思議なちから――『14ひきのあきまつり』


ことし40周年をむかえた「14ひきのシリーズ」
今回ご紹介するのは、『14ひきのあきまつり』です。

『14ひきのあきまつり』(いわむらかずお・さく)


1992年に刊行されたシリーズ8作目となるこの絵本。
美しい紅葉があふれる表紙から、秋の森へといざなわれます。

『14ひきのあきまつり』(いわむらかずお・さく)


かくれんぼをしていた14ひき。
いなくなったろっくんをさがしていると、森の中であきまつりがはじまりました。

せいや せいや きのこの みこし。
せいや せいや くりたけきょうだい。

『14ひきのあきまつり』(いわむらかずお・さく)


みこしをかつぐかえるにどんぐり。
かまきりやとかげ、とんぼもくわわって、森中にかけごえがひびきます。

そんなにぎやかなおまつりは、つよい風とともに過ぎさって……。


作者のいわむらかずおさんは、こう語っています。

「秋というのは、華やかな紅葉がありつつも、あるいきものは休息に向かい、またあるいきものは一生の終わりをむかえる――そんなことが混在する季節なんです。」

「この絵本でいきものたちがしているのは、自然の中の神にたいする感謝のおまつりです。」と、いわむらさん。

自然のもつ力、自然がもたらすめぐみ。
その大きさを感じているいわむらさんだからこそ描けた、いきもののおまつりです。


いわむらさんはにっこり笑ってこう教えてくれました。
「きのこって、動くんですよ。」

みなさんも秋の森で、きのこのみこしに出会えるかもしれません。


(いわむらかずお・さく)


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