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ペットショップ嫌いな私がペットショップで犬を買った話

ペットショップ嫌いな私がペットショップで犬を買った12年前の話です。

もともと実家にも犬がいて、小さい頃からセキセイインコなど動物と共に過ごし、命の終わりも何度も経験してきました。

東京で一人暮らしを始め、就職して仕事も楽しくなってきた頃、少し心を病んだ時期がありました。
たった1人で大都会の真ん中ですがるものもなく、親に相談すると「帰っておいで」と言われるのがわかっていたのでできませんでした。(学生時代そればかりで電話をするのをやめました。心配してくれて優しさなのは当時からわかっています。)

いつか犬を飼いたいな

そうは思っていたものの、一人暮らしで仕事も忙しくしていましたし、命を育てる自信なんかありませんでした。
実はこの頃からすでにペットショップは嫌だなと思っていました。
パピーミルやペット業界の闇の部分も自分なりに調べて知ってしまっていたからです。


当時住んでいた街にもペットショップは何件かありました。

犬や猫が大好きだけど、お店には入りたくない…
けど…動物に触れると気持ちが和らぐことを身をもって知っていたので…触りたい…触れ合いたい…
実家の犬にも会いたいけれど実家は北海道なのでそう簡単には帰れません。


本当に1人で勝手に涙が出てしまうくらい精神が落ち込んでしまった時期に、とあるペットショップへ入りました。
(当時の感情は覚えていませんが、嫌だと思っていても入らなければならない何かがあったんだと思います。)


そこには狭い箱に入れられた沢山の犬猫。
女性の店員さんが2人いました。
元気なお姉さんと、優しい話し方のお姉さん。
動物たちの世話の仕方と直感でお二人は本当に動物が好きなんだなと感じました。

かわいい動物の赤ちゃんと店員さんとの会話で少し心がほぐれた私は…
またしばらくしてお店へ行きました。

その時に見つけてしまったのです。

大きくなりすぎて壁の箱に入れず、別のオリに入れられている一匹の犬。

それがわちちでした。

床のオリにいるので気軽に触らせてもらえることができました。(もちろん触っていいですか?と聞いて手を消毒してからです。)

チワワにしては大きめサイズ。だけどまだまだ赤ちゃんの柔らかさと元気で無邪気な犬でした。

お姉さんたちはその子を「わちち」と呼んでいました。
どんな話をしたのか今となっては思い出せませんが、その時の場面は鮮明に覚えています。

とてもかわいいわちち。でも犬は飼えない。
会うたびに辛くなるからもう会わない。
なんて決めて泣きながら家に帰りました。



…数日後、また同じ場所にいるんですけどね(笑)
そんなことを数回繰り返したかと思います。

その子は毎回会うたび「値段」が下がっていきました。
チワワはだいたい15〜30万という値段がついているのですが、この子はこの時すでに5万円でした。

命はお金で買うものじゃない。ペットショップから犬を買うのか。だけどこれ以上値段が下がり、ついに売れなかったらこの子はどうなってしまうの??いろんな感情で毎日頭がいっぱいでした。

ただ、何度めかの時、わちちと遊ばせてもらっていると…

わちちが涙を流したのです。

今思えば、ただ涙が溜まって流れただけです。
けれど、その時の涙でもう私は手を離せなくなってしまいました。
お姉さんも「わちちが泣いてる…」といい、私も涙が出ました。

こうしてまんまと(?)はめられた私は(言い方が悪い!)その場で北海道の母に電話をしました。


私:「犬を飼おうと思っている」

母:「え!?大丈夫なの?ちゃんと育てられるの?」

私:「…。」

母:「1人で飼うなんて大変だよ。わかってるの?」

私:「…。」

母:「でもあなたが電話してくるってことは気持ちは決まってるんでしょ。」

私:「うん。」

こうしてわちちは家族になりました。




保険や餌、小屋、シートなど飼育スターターセットを全て込みで8万円くらいでした。

体が大きくて、値下げされて、売れ残っていたこの子が私の人生に幸せをくれる存在になっていきます。
この子じゃなきゃダメだったし、この子以外考えられません。

(赤ちゃんの頃の貴重な写真。当時デジカメでも子犬の素早い動きではブレッブレなものしか撮れなくて。いや、それにしても他の写真どこにいってしまったのか…)


わかっていたつもりでもやはりとても大変でした。
トイレを教えるのも一苦労。いたずらばかりするので毎日怒っていましたし、大切なものもたくさん壊されました。
私がインフルエンザで寝込んだ時は寝ている私の頭におしっこされたり、喧嘩したこともあります。
私は全然いい飼い主じゃないし、思い出してもわちちがかわいそうだったなと思うことも沢山あります。(ごめんなさい)

(基本ベッドからはみ出しがち。4.3キロ。デブではなくデカイだけ。)

(泥棒ひげ。実は下顎が出ててちょっぴりしゃくれなのは本人と飼い主だけの秘密。)

だけどしんどい時も悲しい時も楽しかった時もずっと2人で過ごしてきました。

今は旦那と3人で川の字になって寝る毎日が本当に幸せです。
(ちなみに夫婦生活も犬がいるからやっていけているところもあり。その話はまた今度)


私は未だにペットショップには反対です。
世の中も保護犬が広く認知されてきて、保護犬を迎えるハードルも(良くも悪くも)下がってきました。

どんな時代にもペットを飼う資格がない人は一定数いますが、ペットショップがなくなれば辛い思いをする犬は今よりは確実に減るでしょう?

動物愛護についてTwitterで呟いたら、あなたもペットショップで犬を買ったんでしょう?とものすごく噛みつかれたことがあります。
それは事実ですし、矛盾してると言われたら何も言えません。

私に今できることは保護団体さんへの寄付など。あまり人には言っていないけれどずっと続けているのは矛盾してると言われた自分への反発なのかもしれません。

自分がだからではなく、保護犬を飼っているから偉い、ペットショップで買ったから偉くないという議論はよくわかりません。
大切なのはわんちゃん、猫ちゃんがどれだけ大切に育てられているか、生涯幸せを全うできるかですよね?
保護犬猫を迎えて虐待する人だっています。

ただ、私はもし次に犬を迎える時は保護犬だと思います。いろんな理由で保護された子達。どの子も本当にかわいい…。そして人間がごめんね…と思います。
通っている保護犬カフェの話もまた今度。

以上、わちちとの出会いのお話でした。

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