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クラウドファンディングの裏話し

皆さんはクラウドファンディングでモノを購入したり、販売したことがありますか。これからクラウドファンディングを利用している一部スタートアップの裏話しをします。

2011年から17年の間、国に帰国していた際、私はスタートアップ会社に3週間ほど通ってたことがあります。

3週間(笑)
私の社会人歴のうち、最短の経歴です。(もちろん経暦書には書きません。)

とにかく今思うと、その3週間私は不思議な体験をしていました。
本当にこういうやり方でいいのか、自分の中のモラルが試されていたり、「スタートアップ事業」だから大丈夫かもな。など、いろいろなことを考えさせてくれました。

今日はその話しをしようと思います。

会社名を出すわけにはいかないので、その3週間勤めていた会社を「p社」とさせていただきます。

AGENDA
1. p社の簡単な情報・特徴
2. ビジネスモデル(クラウドファンディング)
3. コンセプトセーリング
4. 機能は基本

(ページ内リンクにしたかったのですが、note proじゃないとできない?)

1. 簡単な情報・特徴

・社長、財務管理、デザイナー2人、マーケティング1人、合計5人構成の会社。
・社長は以前web agencyを設立していて、その会社を売却して、改めて立ち上げた会社がp社。(話しによると業績が上がった段階でM&Aさせてえいたとか)
・魅力的なグラフィック&ビジュアル:会社のホームページ、プロダクトデザイン、他SNSなどもビジュアル的に今風で、魅力のある会社に見えた。
そうです。p社は去年good design awardで入賞していたほどデザイン力だけはありました。プロダクトもRが聞いているし、ビジュアルデザインも鮮麗されていた気がします。

2. ビジネスモデル

p社はクラウドファンディングから投資金を集める典型的なスタートアップ方式でビジネスモデルを立てていました。

1) Product design (コンセプトと皮作り)
2) イメージムービーなどの制作(高クォリティー)
3) kickstarterを始め、クラウドファンディング数カ所に掲載
4) 金額が集まったら製造開始
5) 海外企業からの投資金集める
6) 投資金で映像以外の制作物をagencyに依頼
7) Facebookなどでクラファンのスポンサー管理:進捗報告など
しかし、「We are truly sorry about your waiting.」をめちゃくちゃ書いていた。予定よりほぼ1年くらい遅れていましたので。

ここで何の問題もないと感じる方もいるかもしれませんが、
イメージムービーを制作時に、スペックはどう書いていたのだろう。目標を書いていたのか。どうやって撮ったのか。など、疑問に思う方もいると思います。そうなんです。まだ製造もしていないのに。逆にすごい。

商品のカテゴリーだけ言いますと、カメラだったのです。
カメラなのに、量産前のプロトタイプ段階で撮ったわけでもなく、コンセプト+おもちゃ状態(皮だけ)で、映像を撮ったのです。

映像の中身は、go proで撮った動画。
まるでp社のカメラで撮ったように、滑らかできれいな演出で、手ブレもしないフレキシブルなカメラ。

私:これって詐欺じゃないですか
社長:うちらはクラファンではコンセプトを販売し、実際それに向かって機能や製品クォリティーを上げ、お客さんに届けばいい
私:...

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(今思うとクズ...)

その後、他の仲間にはこういうわけで申し訳ないが辞めると連絡したが、
社長だけには音信不通でp社を去りました。

3. コンセプトセーリング

コンセプトを売っているんだと?
「コンセプトを表現しています」という明記がない限り、
納得いかない話しでした。

映像の下に「この映像はgo proで撮りました」はなぜ書いてないのか。

p社だけでなく投資金を集めるためのコンセプトプレゼンであるということが実はクラウドファンディングには蔓延しています。実際試作段階の製品が投資金を集めるために、グラファンに出して、それで運営費を賄ってたりしますからね。

しかし、私にはそれが詐欺行為としか認識できなかったです。

結局、p社はロンチはしたものの、初期のモデルは販売してすぐに消えていました。
クラファンの段階では、色々なメディアで取り上げられていたりしていたけど、ロンチ後は一切出ていないです。

4. 機能の質

その理由は機能の質だと思います。どれだけコンセプトがよかれ、デザインの洗練さがあっても、基本となる製品そのものの機能がベースになっていないと、価値はないに等しい。

ブランディングでも、全てのコミュニケーションデザインに置いても、
製品の良質さは、基本という前提で行うべきものだと思います。
本質はお客さんへの約束、その基本に製品・サービスの優れた開発が先にないと叶えられないことです。会社でも機能の質を担保できない限り、次のステップには進まない方がいいと思います。

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