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どうして経済成長って必要なんだろう@飯田泰之氏

日本人の生涯所得を決める1番の要因は学歴ではありません。実は生まれ年なんです。

飯田さんの本を読んで1番びっくりしたのがここ。
要するに18歳(高校卒業時)と22歳(大学卒業時)の景気が良かったかどうかで決まるというのだ。
そう語る飯田さんは古典経済学とは距離を置くケインズ主義者のようです。

※超ざっくり
 古典主義:小さい政府(政府は最低限の福祉のみで自由経済)を志向
 ケインズ主義:大きい政府(公共工事や福祉も大事)を志向


2009年の本で15年前の本となります。
当時は「失われた10年」「リーマンショック後の不景気」になるところですね。
古い本ですがまだ間に合う!(のか?)
若者を救おう!(もちろん飯田さん本人も含め)という本です。

●飯田泰之氏の主張

改めてですが、飯田さんは自身のことをケインズ派と言います。大きな政府を志向する人のようです。そんな飯田さんの主張をまとめるとこんな感じ。

インフレさせて富裕層にお金を吐き出させよう❶
・所得の累進課税をきつくする
・年金はいらない

 代わりは生活保護かベーシックインカム
 (但し今の生活保護制度はダメ)
正社員と非正規社員の差を縮めるべき

❶若者を守るためインフレに

デット・デフレーション仮説

デット・デフレーション仮説とはデフレ化では「債務者」から「債権者」への『富の再分配』が生じるという。

つまり資産を持っていない若者(債務者)から資産を持っている老人世代(債権者)に所得の再分配がなされるということです。

同じ100万円でもデフレ下では債務者(若者)は返済がきつい、債権者(老人世代)は自分の貸しているお金が事実上価値がどんどん上がる。ということです。

一言で言うなれば、デフレは若者に皺寄せが言っている状態!!ということになります。

インフレさせて現金価値を棄損する

ケインズは「有閑階級を安楽死させてはならない」と言いました。
※有閑階級:多くの資産があって余裕があり、生活のための職業につく必要もなく、閑暇を趣味、娯楽などで費やしている階級。

そんな有閑階級に「税金」を課すのがインフレです。

年3%のインフレが発生すると、有閑階級の資産が3%税金を課されたのと同じことになります。
そうなるとお金を持っていても「お金の価値が下がる」ので世に出てくるようになります。世の中に供給される紙幣が増えるのでインフレ要因となります。

先日、紙幣変更によりタンス預金が世の中に出てき始めたという記事がありました。
眠っている50兆円が世にでるということは、それだけでインフレ要因です。

アベノミクスと経団連

ここは紙面にないところ(本発売の10年後の話)です。
第2次安倍政権下におけるアベノミクスで5年間(2013〜2018)で累積の実質GDPは7%上昇しました。しかし、実質賃金は累積で4%低下しました。

経団連は消費増税・法人税減を主張する団体です。
従業員よりも役員を会社と役員を大事にしています。
つまり、インフレをさせないようにしているのは経団連です。
そして、経団連が消費税増を訴えるには自分たちは痛くも痒くもないからです。

そこは意識しておきましょう。

年金制度の闇

飯田氏は現行の年金制度の負の部分にも触れます。

・制度設計当時、人がここまで長生きすると思っていなかった
・経済成長下では若者の方がお金を持っていた
つまり、制度設計〜運用開始当初は正常な「富の再分配」ができていたということと思われます。しかし、バブル崩壊により老人と若者の力関係が逆転してしまった。と言います。
そして今では老人の「既得権益」になってしまっているとも言います。

そして、その老人たちは3人で1人を支えていたが、今は1人で1人を支えないといけない。そこの大変さを比べないとだめ!と飯田氏は言います。

さらに「生活保護制度」にも言及。
・生活保護は年金よりも給付が大きい
・一定以上の所得を得ると打ち切られるので働かなくなる
と問題視しています。

❷正社員優遇をやめる

もう上で満足しました。
ここは簡単に。
読んで字の如くです。
今は正社員と非正規社員とでは福祉の差が大きすぎると言います。

もちろん給与の話も。
非正規社員でも最低250万。
正社員は非正規社員より稼げるけど少ししんどい的な感じ。
非正規はフリーでやりたいことを転々とする。昔ながらのフッ軽労働がいいのではないか?との意見です。

バブル前は非正規社員の方が花形だった時代があったようです。
フリーターはカッコいい言葉だったとか。
20年後には悪い言葉に。

飯田先生もnoteされてました。
拝見したいと思います。

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