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架空書籍紹介(71冊目~77冊目)

71冊目「結石ロック第二章」

「結石ロック」の成功を忘れられなかったロッカーが発表した第二章は大衆に受けいられれなかった。「結石の痛みが嘘くさい」という評価が多かった。結石のできやすい生活習慣を続けても結石はできなかったのだ。失意の三年間を追ったドキュメンタリー。


※以前書いた「結石ロック」の続編。「結石ロック」は某お風呂バンドメンバーによる弾き語りが近日聴けるかもしれません。


72冊目「無名人集」

全国各地の、無名でありながら様々なことを成し遂げている人たちへのインタビュー集。毎日早朝の公園の砂場を掃きならす人、カラスと対話して執筆する人、漂着物だけで作った船で漂流しようとする人、生きながら化石化する研究を自分の身体を使って実践している人など。



73冊目「じゃんけん必勝法」

あいこの存在意義を疑問視する著者の問いかけから始まるじゃんけんについての観念論。タイトルは本を売りたいがためのフェイク。じゃんけんのルーツを探るだけでなく、著者の考えたオリジナルじゃんけんに多くを費やされている。むしろ読むと負け続ける一冊。



74冊目「本の生態図鑑」

野生の本の生態について網羅した初の図鑑。ジャングルの奥地で発見されたコンラッド「闇の奥」初版本が一大王国を作っていた事例を始め、ストリップ小屋に住み着く谷崎潤一郎「刺青」、取り壊し予定のアパートに住み着く藤澤清造と西村賢太の著作など。



75冊目「老人とWRYYYYYY!!」

海で溺れていた吸血鬼を助けた老人の話。金髪の吸血鬼は最初「WRYYYYYY!!」と叫んで老人に噛みつこうとした。体力が回復するにつれ老人に懐いた。老人は吸血鬼に海で生きる術を教え、野生に返した。後年、吸血鬼が人々を襲う噂を老人は聞き流して余生を過ごした。


「WRYYYYY!!!」と叫ぶ金髪の吸血鬼も出てくる話「老人とウニ」はこちら。


76冊目「竜巻扇風機」

扇風機が壊れたので家の中で竜巻を発生させて代わりとした。周囲の物を巻き込んで大変なことになった。エアコンが壊れたのでエジソンを呼んで発明させた。竜巻を消す機械を発明してくれた。おかげで扇風機もエアコンもない家の中で、エジソンと暑さに苦しめられている。


※この生成絵は今まで一番気に入ってるかもしれない。


77冊目「書かなかった作家による創作論」

生涯一編も小説を書きあげられなかった著者による創作論。いかにして構想が崩れ去ったか、執筆が中断したか、アイデアを没にしたか、といった例が網羅されている。途中から「老大家が晩年に書く随筆を書きたい」と方針転換。副題「こうはなるな」。



入院費用にあてさせていただきます。