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縦の関係 3

♪   な〜ぜ生きてゆくのかを
  迷った日の跡のさ〜さくれ〜
  ゆ〜め追いかけ走って
  ころんだ日の跡のさ〜さくれ〜

お茶のお稽古場の話です。

去年の秋の事
私は用事があり
他の社中より少し早くお稽古場を後にした。

お稽古の終わりの時間
先生が 

では、これで今日は終わりにしますね。
実は主人
亡くなりまして、49日も済みました。
皆様にご報告しておきます。

と、おっしゃったとの事。


マンションの駐車場に車をとめて
携帯をチェックしたら
社中の仲の良い方からその旨が入っていた。
息をのんだ。

夏の間もいつものペースで
お稽古を続けてくださっていた。
いつもの様に
季節に基づいた
御道具をご準備して
いつもの様に指導して下さっていた。

私、全く気づきませんでした。
気付くどころか、私の方の
家族の事や体調を
きづかっていただいていました。


私は人に相談するのが苦手。
つらい時
ひとりでやり過ごし
周りが暖かく声をかけてくれるのを
拒否していた。
寂しく傷ついている自分を
人と話す事で認めるのが嫌だったのかな。

だから、逆に、人に何かあった時
声をかけたりするのは
負担じゃないかなと思いさけてきた。
受けとめた経験がないから
実はなんて声をかけてよいのかさえわからない。


でも、今回は違い
何も考えずに
すぐに先生にお電話しました。

先生。
私、今、御主人が亡くなられた事お聞きして、、
すみません。私、何もお力になれくて。
先生にはずっと良くしていただいているのに、、
すみません。

かけた瞬間から泣き出してしまっていた。
ほんとに迷惑な私です。

あらあら、ありがとう。
皆様に亡くなった事お伝えしたら
悲しくなっちゃうからね。
少し黙ってたのよ。
皆様がいつもと変わらず
お稽古に来てくれててよかったのよ。
お稽古がんばりなさいね。


お茶は 
お稽古で話す事も、する事も
形が決まっているので
他人とコミュニケーションを取るのが苦手でも
奥に入っていける。

だけれども
長く続けていくと
その形は本当の物になり
どうしても、これを伝えたいという時に
その殻を割る力にさえもなる。



縦の糸はあ〜なた〜
横の糸は私〜
会うべき糸に出会える事を
人は仕合わせとよびま〜す♪


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