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「健康」でいるために重要なこと④

それはリスク・危機管理能力です。

看護師はKYT(危険予知トレーニング)というものをやります。(トレーニングだけ英語の頭文字なのに危険→K、予知→Yってセンスないなって思ってました。分かりやすいのはいいことです。)病院では小さなミスやヒヤリハットが大きな医療事故につながる可能性があります。臨床での危険察知能力の向上や医療事故防止につながります。

医療事故を起こさないように周囲の環境を見て「何かおかしい、いつもとは違う」と感じたり、看護する中で「どのような危険が起こる可能性があるか」ということを考えて危険への感受性を高めていきます。看護師によって感じることや対策も全て同一ではないため、看護師同士で共有しチームで医療事故防止に取り組んでいきます。KYTは患者さんだけでなく看護師自身も守る役割ももっています。

危険を察知することで最悪の事態を防げます。
患者さんの中には事故で被害者、加害者になってしまった方もいました。自分が信号で待っていたら急に自転車にぶつかってこられて、骨折して入院して手術して、リハビリもすることになったとしたら、とても悲しいですよね。怒りも感じるかもしれません。時間も奪われます。仕事や家庭のことで悩みを抱えることになってしまうかもしれません。もしかしたら一生寝たきりでもう話したり、食べたりできない状態になってしまうかもしれません。被害者にも加害者にもなりたくないですよね。焦ったり、急いでいる時こそ周囲の環境に注意を払い、どんな危険が潜んでいるのか考え、行動することが大切です。自分は交通ルールを守って自転車に乗っていたのに急に前に高齢者が倒れこんできてひいてしまうということも、もしかしたらあってほしくはありませんがあるかもしれません。対策をしても100パーセント防げるわけではないと、危険性を認識して過ごすことも必要です。

最近、園児バス置き去り事件がありましたが、ご両親のお気持ちを考えると胸が痛いです。子供は危機察知能力がまだ低いため、大人が子供の行動を把握し安全対策をとることが大切だと改めて感じました。だんだん子供だけで過ごすようになると犯罪などの危険も増えますが、あらかじめ子供の行動を知り、具体策を話し合っておくと大切です。

日本は高齢社会となっており、老々介護、孤独死等の問題が山積みです。その時、自分が当事者となるまで自分だけは大丈夫という他人事でつい先延ばしにしがちです。親が、自分が、兄弟が元気だからこそ、今のうちから危険なことは何か、起こりそうなことは何か、その時どうしようか話しておくとよいと思います。親にはいつまでも元気でいてほしいですが、老いていくのは事実です。親と会った時に親の行動をよく観察してみてください。もしかしたら段差につまずきそうになっていたり、しゃがむのが難しくなっているかもしれない。親も自分はいつまでも元気だと思い込み、気付かない間に無理をしていることだってあります。親と話してみましょう。

リスク・危機管理能力を高め安全な毎日を過ごしましょう!

病院こぼれ話
看護師は人員不足でなかなか過酷な環境で働いていることが多い。KYTをしてもミスをしてしまうときだってある。ミスをすると「インシデントレポート」なるものを書くが、その発見者が書くことになるのだ。転倒や転落、患者から危害を加えられ自分自身もケガをしたときでも再発防止のために「インシデントレポート」が必要となる。「インシデントレポート」を書いたことがない看護師はいないと思う。
発見者が書くのでミスをしたのがAさんとして、次の勤務でBさんが気づいたらBさんが書く。(Aさんが出勤していればAさんが書く。)薬が行方不明になったりすることもあったが、事実確認のために休日に病棟から電話がかかってくることもしばしばあった。病院からの着信=悪い知らせなので着信に気づくと憂鬱だった。
新人看護師であってもベテラン看護師であっても人間なのでヒューマンエラーやミスを起こしてしまうことはある。だからこそ、もう同じことを繰り返さないためにどうするか日頃から危険を予測し、自分自身の行動や心理的特性を知り、対策を行っていくことが大切である。。


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