見出し画像

アイドルと大臣と幹部社員は同じだと思う。

放送事業会社「東北新社」の外資規制違反に関する国会審議で、武田良太郎総務相が総務省幹部に「記憶がない」という言葉を発し、幹部はその後「記憶にございません」の答弁を連発した。言葉を発した理由について尋ねられた総務相は「なぜか、無意識というか口に出た」と言い放った。

マジで?!一国の大臣の発言とは思えない言葉に、ビックリした。

…子供の言い訳でも、もうちょっとマシな気がする。
どうして、こんな軽薄な発言ができるんだろう?

国会という場所は、国家のルールを決める神聖な場所なのに、嘘ついたり軽薄な発言をしたり居眠りしたり…一体なんのために政治家になったんだろうと、悲しくなる。ましてや大臣なのに…
ただ、結果的に僕たちが選んだ人たちなんだと思うと、どうしたものかと途方に暮れてしまうわけです。

政治家としての、大臣としての自覚が足りない!
と、断ずることは簡単だが「自覚しろ!」と声高に叫んでみても、自覚を持たせることなんてできないと、僕は思う。僕が、組織改革の現場で感じてきたことは、

「自覚は、するものじゃなく、させるもの」

ということだ。

アイドルの世界に、「推しメン」という言葉がある。アイドルグループ内の「イチ推しのメンバー」の略語だ。デビュー当初の無名時代から推しメンを追いかけ、ファンとして応援し続ける。推しメンが成長し、有名になっていく様子を見守り、一緒に育てると言っても過言ではない。
アイドル自身も、このような熱狂的なファンによって育てられていると自覚しているため、ファンを大切にし、アイドルとしての自分の言動・行動を磨く努力をする。

アイドル自身の自覚だけでなく、ファンの存在が、アイドルとしての自覚を促す。ファンは見ている。或いは、常にファンに見られているという実感が、アイドルとしての自覚を促進しているのだ。

政治の世界も、本当は同じなんじゃないかと思う。
まずは候補者一人一人を吟味し、自分の推しメンについてきちんと知る。投票に行く。自分が投票した推しメンを追いかけ、見守り、ちゃんと応援する。僕たちのそういう姿勢が、自覚を促し、政治家を育てるんじゃないかなと思う。転じて、会社組織だって同じだ。

よく、経営者からこんな相談を受ける。

「部長としての自覚が足りないんです」
「幹部なんだから、もっと自覚を持って欲しい」

部長が部長でいるために、幹部社員が幹部社員でいるために必要なのは、肩書きじゃない。部長や幹部社員をリーダーとして応援してくれるファンの存在、つまりフォロワーだ。

熊本大学の戸田先生から教えて頂いた面白い動画がある↓

この映像を見ると、組織を(社会を)動かすために必要なのは、フォロワーの存在だということがよくわかる。

リーダーや政治家に「自覚が足りない」と批判する前に、まずは僕たち自身が、フォロワーとしての自覚を持って行動することが大事なんじゃないかなと、改めて感じさせらたわけです。

次回の選挙では、ちゃんと推しメンを探そうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?