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東京、豊かでない街。

こんにちは。ねこです。

本日は働き方以外に目線を向け、東京の豊かさについて議論していきたいと思います。

東京といえばどんな印象でしょうか。
みんな年収が高くて、みんな豊かな暮らしをしているイメージでしょうか。
例えば鳥取といった地方道府県と比べると、よっぽどいい暮らしをしているのでしょうか。

ただ、現実はそうでもありません。収入が高くても支出も多いので、結局手元に残るお金(自由にできるお金)は全然高くないのです。

①東京のお金回りに関する現状

国交省の資料から、2人以上の勤労者世帯(個人・経営者を除いたものですね)の収入を見ていきましょう。

全世帯の可処分所得(収入のこと)
1位:富山県(46万4635円)
2位:福井県(44万9794円)
3位:東京都(43万6475円)

中央世帯の可処分所得(各都道府県の40~60%)
1位:富山県(42万0262円)
2位:三重県(41万6264円)
・・・
12位:東京都(39万2716円)

まず、この2つの数字だけ見てわかることは、東京都の所得について、全世帯所得ではまあまあ高いものの、中央世帯だけ見るとそうでもないということです。

富山・福井・三重、どういうこと?????とは思ったのですが、とりあえず東京だけに絞って考えると、一部の所得の高い人材が集中していることが際立ってわかります。

次に、支出を見ていきましょう。
想像が安易につくとはおもいますが、圧倒的に生活費が高くつくので、都市圏が高くなっています。

中央世帯の基礎支出(食糧費+家賃+水道光熱費)
1位:東京都(19万9372円)
2位:神奈川県(18万2334円)
3位:埼玉県(17万4779円)

これは救いがないですね。
東京の友達に会うと、家賃の高さにびっくりすることが多いと思いますが、(もしくは地方の友達に会うと家賃でびっくりさせる)まさにその通りの結果でした。

で、結局最後大事なのは、手残り、つまり収入ー支出の差額が重要なわけです。

中央世帯の収入ー支出の差額
1位:三重県(26万4553円)
2位:富山県(25万9642円)
・・・
42位:東京都(19万3343円)

なんと悲しい。
特にいうまでもないけれど、とりあえずの結論としては東京は全く豊かではない。

②東京中流が貧民な理由

理由をわざわざ語らずとも、もうわかりきったこととは思いますが、ひとつひとつ議論していきましょう。

まずは収入がそこまで高くない理由を考えていきます。
都内の企業は約42万企業(東京都, 2022)であり、全国の11.6%を占めています。このうち、中小企業の割合は98.8%です。

いくら大都市トーキョーといっても、賃金の高い大企業はわずか1.2%であり、だいたいは地方企業と変わらない規模の企業しかないということですね。そういった1.2%の企業につとめる人材の給与所得は、まず上記の「中央世帯」にははいってきません。

また、大企業には中核人材も業務人材(経産省, 2014)も必要で、どうしてもコスト削減を目指して非正規雇用で人材を確保する企業が多いです。
そうなると、いくら大企業に勤めているとはいえ非正規雇用で、どうしても賃金が上がりにくいという構造があります。

最後に、エッセンシャルワーカーの存在ですね。人口が多くなると、その分看護師さん、保育士さん、先生・・・と、行政サービスや福祉サービス上必要な業務を担う人材が必要になります。
が、そういった人材の給与は高くない。地方でやっても、都市でやっても、ほぼ一緒。

次に、支出ですね。
とにもかくにも、家賃の高さが挙げられます。東京は土地が限られており、その需要は高いため、住宅価格は他の地域に比べて非常に高いです。
特に東京23区やその周辺では、小さなアパートやマンションでさえ、家賃20万円!みたいなふざけた価格で、多くの家庭の予算を圧迫します。

次に、車を所有する場合の維持費もかさみます。麻布十番の駐車場は、なんと1か月6万円!人が住めちゃう!!

食費や娯楽費も東京では高めです。
飲食店やエンターテイメントの多様性と質は魅力的で、とてもおいしいお店、楽しいアミューズメント施設はたくさんありますが、これらを日常的に楽しむことは費用がかかります。

さらに、教育費も無視できない問題です。子供を高い私立や高い塾に通わせる家庭(だいたいそう)では、教育にかかる費用が家計を大きく圧迫します。

③東京中流が貧民なことの帰結

こういったなんとも希望のないトーキョーシティ。
少子化まっしぐらもやむを得ないのではないでしょうか。

手取り収入が少ないという現状は、若い世代のライフスタイルや人生計画に大きな影響を与え、特に子どもを持つことに関する重要な決断に影響を及ぼします。

東京での生活コストの高さは、特に子どもを持つ家庭にとって大きな負担です。教育費、医療費、子どもの日々の生活費など、子育てには莫大なコストがかかります。
手取り収入が少ないと、これらの基本的なニーズを満たすことすら困難になることがあり、多くの若いカップルや家庭が子どもを持つことを躊躇する一因となっています。

東京の住居問題も、少子化に影響を与えています。
手頃な価格で広さや安全性を確保した住居を見つけることは容易ではなく、子どもを持つ計画を立てる上で大きな障壁となります。また、子どもにとって良い教育環境や遊び場が十分に提供されていない地域もあり、これが家族計画に悪影響を及ぼします。

東京では、共働きフルタイム!みたいなどこに時間があるの?という世帯も多いです。
これにより、時間貧困におちいり、子どもを持つことへの意欲も低下します。
特に女性の職場復帰に際しては、柔軟な働き方や育児休暇の制度がまだ十分に確立されていないことが問題となり、出産後のキャリア継続を難しくしています。

時間もなければ金もない。東京ってつまらない街。
はよ小田原とか土気とかに引っ越したいなあ。。。


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