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鬱と思考力

昨年から鬱状態が続いていたが、徐々に回復の兆しが見えてきた。

ここ1ヶ月ほどは特に抑うつが弱くなって、少しずつ寛解に近づいてきたと感じる。

ただ少し懸念しているのが、これまで頭のなかで絶え間無く考えていたことや言葉が浮かばなくなったことだ。

今までの自分は、考えてもしょうがないことでしばらく悩み、日常の些細なこと一つひとつに頭を抱え、何か気にし始めたら思考が止まらなかった。

それが自分の性格で、短所で、趣味のひとつでもあった。暇なときや寂しいときは頭のなかで考えを張り巡らせ、最後は勝手に不安になる。

この行動は、いま思えば自傷行為のようなものだが、同時に悦に入ることもできるドラッグのようなものでもあった。

また、この「考えすぎる癖」は損なことばかりではなく、コミュニケーションの苦手な自分が、余計なヘマをしないための防波堤にもなっていた。

その場をよく観察し、足りない頭をフル回転させ、なんとか場に馴染めるような言葉を捻り出すためには必要な癖だった。

そしていま現在、考えすぎなくなったおかげで内省は減り、比較的情緒も安定しているが、自分で考えて行動することがかなり難しい。

常に頭がフワフワしていて、思考をしようとしても何かがそれを拒む。社会に出れば必要とされる最低限の思考さえ怪しい。

こうして文章を書けているのは、時間をかけて推敲しているからであって、瞬時に考えて口から言葉を発するような瞬発力が今の自分にはない。

鬱の寛解と反比例するように失われていく思考力や記憶力。これがいつ回復するのか、はたまた回復しないのかも分からない。

安定した情緒と、健全な思考力・記憶力の両方を得るまで、一体どれくらいかかるのだろうか。

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