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スマホとの向き合い方

この春、進学する方で新たにスマートフォンを購入したという方も多いのではないでしょうか。

中高生と関わってきている立場からすると、
ネットでの人間関係の煩わしさや、ゲームへの課金や依存の問題はよく聞く話で、そろそろなんとかならないものかなぁというのが正直な思いです。

ただ、以下の記事にあるグラフを見ると、ネット上での誹謗中傷の相談件数や人権侵犯事件の数は横ばいになっていることがわかります。

ネットでの誹謗中傷が原因で、命を絶ってしまった人がいるとか・・
過去にあったトラブルなどをこれからスマホをもつ子どもの多くは知らないのではないでしょうか。(もしくは他人事のように捉えていたり・・)

記事にもありますが、
ネットの書き込み一つが誰かの人生を左右しかねない。その責任の重さを自覚して使っていかなければならないということを大人が何度も何度も伝えていかなくてはならないのだと考えます。

そこに注意して使っていれば、他人を傷つけることなく安全にネットを利用できます。しかし、それだけでいいのでしょうか。

他人を傷つけないのはもちろん大切なのですが、
スマホによって、自分の学習時間が奪われたり、睡眠の質が落ちたり・・
そして、自分の意思で制御するのが難しい状態になってしまうことへの注意も同じくらい大切なことだと思っています。

こちらの記事は、昨年11月に日本でも発売された「スマホ脳」という本の著者
で、スウェーデンの精神科医のアンデシュ・ハンセン氏へのインタビューをまとめたものになります。

こちらの記事で特に興味深いのはハンセン氏のこの回答です。

毎日6、7時間もスマホを使っていて自分では制御できない、とティーンエイジャーたちが気づいている、というケースも多く見てきています。例えばですが、10歳から15歳までのスウェーデンの子供1200人を対象にしたアンケートでは、どちらかというと校内でのスマホ禁止を望む子供が6割にのぼる、という結果が出ています。スマホには気を散らすものがたくさんあることや、教室内に置いてあると何も学習できないことに、子供たちは気がついているのです。


ゲームであれば、ちょうどいいタイミングでスタミナが回復してゲームを続けられるようになっていたり、動画サイトでは関連動画が次々表示されるようになっていたり、LINEの「既読」も、「返信そろそろ来るかな」とユーザーを留まらせるためのものなのかもしれません。

無意識のうちに抜け出せなくように設計されていて、それには多くの子どもたちが気づいているとハンセン氏は指摘しています。

それは日本の子どもにも当てはまることで、学校や塾の授業中は触らないというルールが受け入れられるのに、それ以外の場所で触り続けるのは、ただ「目の前にあるから」という理由が大きいように思います。

「時間を決める」、「親が預かる」、「そもそも買わない」なのか・・
どの方法がいいのかここで示すことはできませんが、

タブレットやスマホを学習の目的で使うことを推奨している学校や塾が、子どもが使いこなせるように何か対策をしていく必要はあるのではないかと考えます。

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