住みたい街オブザワールド
2022年7月1日〜12月12日の半年間に旅した世界の44都市。その中で「住みたい」という基準で考えて、ピックアップしてみた。観光地として「行って楽しかった」や「この体験がすごかった」ではなくて、住みたい街。
それは、歩ける範囲にあるスーパーマーケットや、建築物や、自然や、公園や、人々との距離感、スモールトーク、横断歩道のゴミ箱、リスや鳥、交通サイン、治安、広場や交通機関、天気、天候、インテリアやファッション、それに料理や物価、現実的な要素はたくさんあるけど、それらを統合して、「気分良く過ごせるかどうか」という言葉に集約される。
本当の本当に現実的にいうと、そこに友達がいるか、できるか、なんかも重要なんだけど。
ともかく、一回訪れただけの体験から、ピックアップしてみた。
1位 ヘルシンキ
建物、ファッション、草木がおしゃれ。彩度が低くていい。サウナが気持ちいい。公共物のデザインがいい。交通のシステムが洗練されてていい。陶器やカトラリーがカッコいい。人が静かで控えめで礼儀正しい。ヨーグルトおいしい。広場が落ち着く。物価は高いけど福祉は整っている。冬は寒そうだけど、1年住んでみたくなった。とにかく色味とデザインが好きな街だった。
2位 プラハ
東欧で感じたのは、キリスト教をガチで信じまくっていてイケイケだった時代につくられたものの「本物感」。中世における、資金、権力、芸術、建築などの才能が結集して、ステンドグラスや教会がつくられているのを感じてグッとくる。それに旧共産圏ぽいゆるさ。店の主人がサービス旺盛だったり、会計前に出かけて行ったりする。サウナが混浴だったり、玩具屋と本屋から出た親子連れが隣の大麻ショップとアダルトショップを横目に「ここはまだ早いよ」なんていいながら通り過ぎたりする。全体的にゆるい。最高。庶民的なカツもうまいし、街並みも綺麗だ。オーケストラも安くて本格的。半年くらい住みたい。
3位 ブエノスアイレス
牛肉が硬いのに美味い。南米のパリと呼ばれる街並みが美しい。植物が獰猛に育っていて楽しい。文化が混じり合う感じが嬉しい。創作意欲というのか、何かを生み出したくなる街だ。この街で考えた企画やコピーが今日本で世に出始めたりしていて、「ブエノスアイレスで考えたやつだ」と思い出すくらい、印象的な街だった。何かを考える時にいたい場所だ。海上カジノもある。夜にATMに行くのは危ないけれど。3ヶ月くらい住みたい
4位 ロンドン
住む、という観点でいうと、ストレスなく過ごしやすい。という街がいい。世界の中で最も東京に近く、ノーストレスだったのがロンドンだ。英語が聞き取りやすく、車が左側を走り、明治時代の日本がお手本にしたのがなんとなくわかるような日本らしさがある。公園は広く、たくさんあり、リスが走っている。ラーメンも寿司も食べられる。めちゃ高いけど。デパートや古着屋、それに町中にいるストリートミュージシャン。演劇もたくさんあって、文化的に不自由することはなさそう。英語の語学学校もたくさんあるし。2ヶ月くらい住みたい。
5位 ニューヨーク
なんだかんだお金さえあれば楽しみが多いニューヨーク。ドバイのようなお台場感も、アイスランドのような大自然感も、ふだん住むにはトゥーマッチであり、歴史や伝統もほどよく感じられるニューヨークは居心地がよかった。もちろん物価は高いけど。地下鉄でフランクに話しかけられる「その服ええやん」みたいなコミュニケーションも、旅先での経験としては楽しかったし、そういう日常もいいよなーと思ってしまった。仕事するのにもよさそう。歩く道をちょっと間違うと大麻くさいけど。1ヶ月住みたい。
北欧、中欧といった中央に対してはしっこ感のあるところも好きだし、文化の交差点となるブエノスアイレス、ロンドン、ニューヨークのような中央も好きみたいで、どちらにしても、田舎より都市が好きでした。旅をして、そのことがよくわかった。まだ行ったことのない中国、ロシア、キューバなど共産圏も行ってみたくなりました。
最後に、かなり独特で、物価が安く、人々が静かで礼儀正しく、ごはんがめちゃめちゃうまく、便利な街があって、東京っていうんだけど、そこに根を張って住みたいなと、今は強く思っています。
この記事が受賞したコンテスト
ありがとう!Thank You!谢谢!Gracias!Merci!Teşekkürler!Asante!Kiitos!Obrigado!Grazie!Þakka þér fyrir!