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「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

ここ最近読んだ本に、アートに触れることが自分の世界観を鍛えることになると学びました。私は美術館に行くのは好きですが、アートの見方がわかりません。「なんとなくいいね」「かっこいい」そんな一瞬の感性を頼りに観に行くこともしばしば。でもこれでいいのか。そもそもアートを見るためのリテラシーがないなぁと思い、授業形式で読みやすそうな本書を手に取りました。さぁいきましょう。


ひとことで言うと

アートは生み出されるまでの過程が面白い。自分の興味をもとに、自分なりのものの見方を探求しよう。

これが本書でいう「アート思考」です。アートをきっかけに、自分の内側にある興味を通して、自分なりの答えをつくろうということです。世の中に正解なんてない。本書で紹介されるアート作品自体も、「自分はこう思う」という興味からアートという表現を使って表にでています。

本書ではアートは植物に例えられていて、「表現の花」「興味のタネ」「探究の根」の3つから構成されているといいます。 植物の大部分を占めるのは、目に見える「表現の花」ではなく、実は地表に顔を出さない「探究の根」の部分。そしてアートにとって本質的なのは、「探究の根」つまり作品が生み出されるまでの過程のほうです。私たちが普段見ているアートは、表面の花でしかないのです。

"私たちは「1枚の絵画」すらもじっくり見られない"
冒頭にあるこの一文に、私は衝撃を受けました。美術館では絵を見ているよりも、解説文を読んでいる時間が長ったことに気づいたからです。なんとなく「いい絵だね」と思い、解説文を見て満足し、気に入った作品はググって、他人のレビューをみて鑑賞した気分になっていました。
現代は他でも同じことが起きています。食べログで高評価のお店に行ってグルメな気分になったり、ネットサーフィンで上辺の情報を蓄えて満足した気分になる。でも問題はここに「自分のモノの見方」があるのか?ということ。人の意見ばかり見て、あたかも自分の意見のように主張する。それは自分の答えでもなんでもない。私自身、自分で考えることを忘れているような気さえします。


2 実践しよう 「6つのCLASS」

内容は実際に本書のワークとしてやっていただくとして、各ワークで私が学んだことを参考までに書いてみました。あくまでも感想です。ワークで絵を観る際には「アウトプット鑑賞」という、 作品を見て、気がついたことや感じたことを声に出したり、紙に書き出したりして「アウトプット」する方法で実践しました。

◆CLASS 1「すばらしい作品」ってどんなもの?
ここでは「ルネサンス画家」と「20世紀アーティスト」の違いについて。すばらしい作品とは、目に映る通りに描かれているかどうかではなく、自分なりの視点があること。今まで表面的なところしか見ていなかったと、絵の見方を考えさせられました。

◆CLASS 2「リアルさ」ってなんだ?
遠近法、影。目に映るものとリアリティーは違う。遠近法で描かれたものがリアルさだと思っていたが、結局は錯覚や画家の意識に依存し、正確には描けない。ピカソのような多視点を再構成したものもリアルなのだと知った。つまりリアルさとはに正解はない。自分なりのリアルさを描けばいい。

◆CLASS 3  アート作品の「見方」とは?
作者の意図だけだなく、鑑賞者に想像してもらうこともアートを鑑賞することの一部だと知った。鑑賞者の数だけ見え方が違っていい。

◆CLASS 4 アートの「常識」ってどんなもの?
アートは視覚だけだと思っていたが、思考もアートになるということを知った。視覚以外でアートを楽しむのは、より多様な表現もできる。

◆CLASS 5 私たちの目には「なに」が見えている?
絵=何かのイメージだと思っていたが、その前に紙とインクという物質だった。スマホはガラス板。そこにイメージを見ようと意味を見出している。見えないものを描いてもいい。何にでもアートになるし、今まで美術館で見てきたものは逆に紙とインクだったとも言える。

◆CLASS 6 アートってなんだ?
アートとは絵画、彫刻、建築などの分野であるという無意識の固定概念があった。ウォーホルの作品から、自分なりの答えを表現できるならば、カップヌードルでもなんでもアートになり得ることを学んだ。


おわりに

6つのクラスを通じて、なんとなくですがアートの見方が少しわかったような気がします。今までは目の前に飾られている「表現の花」である絵と解説文を見ていましたが、探求の根こそがアートだと学びました。「自分なりの答えを表現をすること」それはアートを見るだけでなく、ビジネスや人生でもいえること。人の意見ばかり借りていたことに気づかされました。

本書は他の生徒の見方も載っていて、本当に授業を受けているような感覚で面白く読み進めることができました。ぜひ一読を!「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

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