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キラウエアへの道

島の南東部にあるハワイ火山国立公園には、
コナからならドライブすること
3時間ぐらいで到着する。

その日はパワースポットであるキラウエアに
また行きたくて、
友達とふたりで車で向かうことにした。

朝、早めに出発して
途中でお気に入りのコーヒーシャックで
のんびり朝食をとって、
さらにビーチに寄り道していたら、
あっという間に11 時くらいになってしまったので、
慌ててキラウエアを目指した。

どこまでもまっすぐな道路は時々、
何度もアップダウンを繰り返す坂道を走り、
小さな街をいくつか通り過ぎて、
やっと到着した頃には午後2 時を回っていた。

国立公園の中にあるボルケーノハウスは
ハワイで最古のホテルと言われていて、
そのレストランからは
ハレマウマウの雄大な火口を見ながら
食事をすることができる。

そこで白い煙を吐き出し続ける
大きな火口を眺めながら、遅いランチ。

今も溶岩を噴き出し続けるキラウエア山の火口には
女神ペレが宿ると言われているパワースポット。

以前、ハワイ島のパワースポットを巡る
スピリチュアルツアーに参加した時にも
キラウエアに立ち寄った。

ラバチューブという溶岩でできた
薄暗いトンネルの中は、
とても強いエネルギーで満たされていて、
スピリチュアルガイドの案内でその場所に行くと
自分のオーラを見ることができる。

ラバチューブは森が噴火で溶岩に覆われて
中の森が燃えて空洞なってできたトンネルで、
火山のエネルギーがそのまま詰まっている。

ラバウォークという溶岩台地をガイドの案内で
ウォーキングするツアーにも一度だけ参加したことがある。

そのツアーはまだ溶岩が固まらずに
流れている付近を歩いていく。

もちろん安全な場所を歩くのだけど、
ガイドの人がここを見てごらん、
と指差した場所を見ていると、
今まで真っ黒だった溶岩がパクッと口を開けて、
中からドロリとした赤い溶岩が
顔をだすのを見たのは衝撃的だった。

国立公園の中にはたくさんの火口が点在する
チェーン・オブ・クレーターズ・ロードというのがあり、
それはきれいに舗装された快適な道路で
海の見える断崖絶壁までつながっているが、
その道路は途中で溶岩に覆われていて、
かつて道路だったところが溶岩に飲み込まれた様子が伺える。

ハワイ島では溶岩の流れる方向を
変えることは許されていないのだ。

道路も、時には民家ですら飲み込む溶岩を、
ハワイ島の人たちは受け入れて生活している。

ふと気がつくとすっかり夕焼け空になっていた。

日が暮れるとハレマウマウの火口が
赤く染まった姿が見えますよ、
というビジターセンターの人の言葉で、
せっかくだから見よう!ということになり、
辺りが暗くなり始めた火口に見に行った。

博物館の裏手の駐車場から見るのがベストポジションらしく、
早くも人がたくさん集まっていて、
暗闇に浮かびあがる真っ赤な炎をただただ驚いて、
地球からエネルギーが吹き出す様を見守った。

それは昼間見た火口から白い煙を吐く
ゆったりとした雄大な姿ではなく、
地球の中心から湧き出す赤く熱い力強い炎で
エネルギーそのものに見えた。

帰り道、あたりはすでに真っ暗。

こうなるのではないだろうかと、
薄々、心配はしていた。

ハワイ島の道路に街灯なんてついていない。

センターラインに埋め込まれたわずかに光る
キャッツアイだけが唯一の頼りという心細さ。

しかもガソリンが残り少なくなっている!
どこかで給油しないとマズイかもという事態。

命に関わる大ピンチ!
心底不安に震え、ガソリンよ、もってくれ!!
と祈りながら、エコドライブでひたすら走る。

こんな真っ暗な場所でガス欠になったら
生きて帰れるのだろうか?

行きに通り過ぎてきた街もまだ7時ぐらいなのに、
なんだか暗い。

そして真っ暗な街の道路の先にポツリと
ガスステーションのサインが遠くに見えた時、
友達とふたりで助かったー!!と叫び、本当にホッとした。

神さま、ペレ様、ありがとう!
と感謝せずにはいられない。

人間って生かされているんだ。

2021年追記:
なんだかとても懐かしい。
ラバウォークなんて危ないツアーはきっと今は
やってないだろうなぁと思って調べてみたら、
2020年現在でオーシャンエントリー
(海に流れ落ちる溶岩をヘリとか飛行機で見にいく)は
発生していなくて、
ハレマウマウの火口は2020/12/20に噴火して
溶岩湖を形成中とのこと。
キラウエアの溶岩は流れるスピードがとても遅く、
至近距離でも安全に観察できるっていうものだけど、
やっぱりタイミングが合わないと叶わないのだなぁと
今更ながら思ったりして。
そしてそんなこともあまりわかっていなかったけど、
本当に貴重な体験だったのだなぁと
改めてありがたみが増したのでした笑

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