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企業はなぜ採用時に「ストレス耐性」をチェックするのか?楽観性は悪なのか?

こんにちは!

社会人のメンタルヘルスは重要です。昨今ストレスによる休職や離職は増加傾向にあることから、企業側も採用時よりストレス耐性チェックを重視する傾向にあります。しかし、ストレス耐性は一括りにできず、求職者の特性に合わせて判断する必要があり判断が難しいのも事実です。本記事では、採用市場での「ストレス耐性」の重要性から、企業側がどのように面接で見極めようとしているのか、求職者側ができる対策についても一例として紹介していきます。


採用市場での「ストレス耐性」の重要性

厚生労働省の2020年実態調査に伴う労働安全衛生調査によると、過去1年間にメンタルヘルス不調を理由に連続1ヵ月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所割合は平均で9.2%となっています。

休職・離職の増加が企業に与えるデメリット

メンタルヘルスの不調だけではないですが休職・離職の増加は企業にとって大きなデメリットです。働く方々の離脱は業務生産性の低下や組織の不安定化を招いてしまいます。

その結果、業績や品質の低下、顧客満足度の低下などが生じる可能性があります。さらに、離職に伴う採用コストや入社後の研修など様々な負担もあり影響度は大きいでしょう。

よって、採用市場では「ストレス耐性に強い人材」が求められる理由もここにあります。企業はストレスによるメンタルヘルスの不調を未然に防ぐために、採用時に求職者のストレス耐性を確認しています。できるだけ将来的な休職や離職リスクを軽減し、組織の持続的な成長と安定を図りたいためです。

昨今世界的に重要視されている言葉が「Well-being(ウェルビーイング)」です。心身と社会的な健康を意味する概念です。決まった訳し方はないのですが、満足した生活を送ることができている状態、すなわち幸福な状態、充実した状態などの多面的な幸せを表す言葉です。「持続的な」幸せを意味するのがウェルビーイングであり、トヨタ自動車やGoogleなどの大手企業などではウェルビーイングの取り組みを全社的に推進しています。

健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいいます。 公益社団法人 日本WHO協会

ストレス耐性が高い人材を採用したい企業側の意図

休職や離職を軽減したいということは前述で説明しましたが、それとは別の意図もあります。その意図はストレス耐性の高い人材は、仕事上でのパフォーマンスを高く発揮してくれる可能性があることです。

仕事で困難はつきものです。その際にストレス耐性の高い人材は、プレッシャーや困難な状況にも粘り強く取り組む傾向があります。彼らはストレスを前向きなエネルギーに変えるポジティブな思考や積極的な行動をとってくれることが多いでしょう。

仕事は適度なストレスが必ず発生し得るので、できるだけストレスと上手に付き合い、活躍してくれるかは企業にとって重要でしょう。

ストレス耐性の種類について

ストレス耐性の種類については「鈍感力」「楽観性」「切り替え力」などが良くも悪くもあげられるでしょう。どのような力でも、ネガティブに捉えるのではなくてポジティブに言い換えることが重要です。自身のスタンスをしっかりと持ち理由を説明できれば全く問題ないでしょう。以下は一例です。

鈍感力や楽観性は悪いのか?

鈍感力

鈍感力は、困難な状況や挫折に対して素早く回復し、前向きな姿勢を保つ力です。高い鈍感力を持つ人は、変化や挑戦に柔軟に対応し、自己成長に繋げることができます。

楽観性

楽観性は、ポジティブな考え方や希望を持ち続ける能力です。困難な状況に直面しても、挑戦と成長の機会と捉え、前向きな解決策を見つけることができます。

切り替え力

切り替え力は、新しい状況や役割に迅速に適応し、柔軟な対応ができる能力です。急速な変化や多様な業務要件に対応するためには、柔軟性と素早い切り替え力が求められます。

高いストレスな業界や職種、例えばコンサルティング業界でのコンサルタントはそのひとつでしょう。良い意味で鈍感力と楽観性が重要です。厳しい状況やプレッシャーに直面しても、どれだけ自身で持ち堪えて、前向きな姿勢で顧客に対して提案をおこない結果を出し続けられるかが高いレベルで求められるからです。

採用面接でどのように判断するのか?

採用面接で求職者のストレス耐性を見極めるポイントはいくつかあります。まず企業側の準備は、自社や募集職種において求められるストレス耐性を明確にし、定義づけすること。どのような仕事でも適正があります。良い意味で対象となる職種で発生しやすいストレスをストレスとして感じにくい方のほうが内定する確率は高くなるでしょう。

企業側は面接中に求職者に対して、具体的なストレスに感じることや仕事上のプレッシャーについて質問することで、彼らがどのようなストレスを経験したかやそれにどのように対処したかを掘り下げながら確認するでしょう。

他には厳しい上司やストレスフルな環境に対する求職者の反応を詳細に聞くこともあるでしょう。

求職者がどのように上司との関係を築いてきたかや、困難な状況下での対応策や学びを質問することで、ストレス耐性や問題解決能力を評価しようと確認するでしょう。

面接では、求職者が過去の経験や困難に対してどのように対処し、成長や学びに結びつけているかを重視する質問をするケースが多いです。具体的なエピソードや感情的な反応について詳細を追求することで、求職者のストレス耐性や適応力をより深く理解することにも繋がるからです。

ストレス耐性が低い人材でも活躍できる環境作り

ストレス耐性が高いに越したことないですが、企業側としてもWell-being(ウェルビーイング)な環境作りはとても重要になっていきます。そもそも、企業側が働く方々のことを考えないブラックな環境であればストレス耐性どころの問題ではなくて離職が増えていってしまうからです。では採用面接時にどのような観点をみて、ウェルビーイングな環境作りを確認すればいいのか?以下は一例を紹介します。

例えば「失敗に対してどの程度許容しているか?」です。誰しもが失敗したくて失敗しているわけではないでしょう。仕事での失敗を、企業としてチームとしてどのように対応するかは、失敗への極度なストレスと大きく関わってくるでしょう。

他にも、チームリーダーや課長や部長などの役割などを質問すると良いでしょう。マネジメントする立場の方々が各メンバーに対してどのような姿勢でおこなうのか?具体的にはメンバーのストレスや負荷を適切に理解し、適切な対策や助言をしてれくれるのか?また、オープンなコミュニケーションやフィードバックの文化なども重要でしょう。各メンバーが自由に意見を述べ、相互にサポートし合える環境では、ストレス耐性の低い人材も安心して成長できるからです。

まとめ

  • ストレス耐性はメンタルヘルスの保持や休職・離職の減少につながり、企業に多くのメリットをもたらす。

  • 採用市場ではストレス耐性の高い人材が求められている。

  • 鈍感力、楽観性、切り替え力など、様々なストレス耐性の種類が存在する。

  • 面接では求職者の具体的な経験や環境、厳しい上司への反応などからストレス耐性を確認されている。

  • 採用面接時にマネジメント方針などを聞いて環境作りについて確認してみよう。


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