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SF100冊ノック

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2016年2月の記事一覧

『地球の長い午後』ブライアン・オールディス ◆SF100冊ノック#05◆

『地球の長い午後』ブライアン・オールディス ◆SF100冊ノック#05◆

『地球の長い午後』ブライアン・オールディス 1962 ハヤカワ文庫

■1 あらすじ「植物全盛のこの世界に生き残った五種の動物のうち、トラバチ、木蜂、草蟻、そしてハガネシロアリは、この世に敵なしといった、たくましい、社会性を持った昆虫。五番目の人間は、たやすく殺せて、しかも昆虫のような集団をつくらない絶滅寸前の生きもの――そして、この地球最後の獣でもあった」(本文より)

 遠い未来。地球はその姿

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『果しなき流れの果に』小松左京 ◆SF100冊ノック#04◆

『果しなき流れの果に』小松左京 ◆SF100冊ノック#04◆

 『果しなき流れの果に』小松左京 1965初出 ハルキ文庫

◆1 あらすじ(ネタバレなし) 大学の研究者、野々村は、物理学教授番匠谷から、太古の地層から掘り出されたという不思議な砂時計を見せられる。砂時計の砂は―減ることなく、いつまでも落ち続けていた。番匠谷と共に発掘地の古墳に飛んだ野々村は、彼の周囲に怪しい追跡者を感じる。そして、砂時計のことを知る関係者は次々と失踪し、野々村も消えてしまった…

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『星を継ぐもの』J・P・ホーガン ◆SF100冊ノック#03◆

『星を継ぐもの』J・P・ホーガン ◆SF100冊ノック#03◆

『星を継ぐもの』J・P・ホーガン 創元SF文庫 1977

◆1 あらすじ (ネタバレなし) 21世紀。CTスキャンの最強版、みたいなマシン、「トライマグニスコープ」を作っていたハント博士は、国連宇宙軍から呼び出しを受ける。極秘と言われて見せられたのが、一つのひからびた死体―月で発見された、宇宙服を着た死体だった。年代測定の結果は「五万年前」。にも関わらず、彼の姿は、現在の人類―クロマニョン人から

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『シンギュラリティ・スカイ』チャールズ・ストロス ◆SF100冊ノック#02◆

『シンギュラリティ・スカイ』チャールズ・ストロス ◆SF100冊ノック#02◆

 『シンギュラリティ・スカイ』チャールズ・ストロス ハヤカワ文庫 2003

あらすじ(ネタバレなし)

 2060年、ついに現れたAI知性「エシャトン」によって、地球人類の90%は半径3000光年の惑星に強制的に移住させられた。寄り分けは人間の性質・信条などで決まり、それぞれが特徴的なコミュニティを築いていった……この「シンギュラリティ」から200年ほど。銀河の端っこにある「新共和国」は、かつて

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『幼年期の終わり』アーサー・クラーク ◆SF100冊ノック#01◆

『幼年期の終わり』アーサー・クラーク ◆SF100冊ノック#01◆

 『幼年期の終わり』アーサー・クラーク,1953,光文社古典新訳文庫

あらすじ(ネタバレなし)
 2001年、突如現れた異星人「オーヴァーロード」は、強大な科学力で地球を平和と統一へと導く。空に輝く銀色の宇宙船から、姿を見せずに指示だけを行うオーヴァーロードに、不安や反感を抱く人々もいた。ただ一人、彼らとの交渉を許された国連事務総長ストルムグレンも、オーヴァーロードを信頼しながらも、彼らの姿を見

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