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トイレはどこに? 女子ひとり旅の苦悩

「カイロの中心、タハリール広場に着いたらヒルトンホテルのJALのオフィスで涼んで、ロビーでトイレをすませ、ついでにトイレットペーパーも失敬しておきましょう」
こんなオソロシイ記述が、昔の「地球の歩き方」には書いてありました。今は、ヒルトンもJALのオフィスもありません。30年以上前の話です(昔も今も、ペーパーを失敬してはいけませんよ)。

旅とトイレ。健康のためにはガマンしないのが鉄則。行けるときに行くというのが一応の基本です。
そうはいっても・・・。ひと昔まえのエジプトでは、カイロといえども入れるトイレは少なかった。ローカル食堂や駅のトイレは近づいてはならない場所、だったのです。
そんなときの、トイレの見つけ方。たとえば、カイロのイスラム地区入口で、もし日本人のツアーバスが止まったら、すかさずチェック! バスを降りたお客さんは、必ずトイレのある店へ向かいます。知らん顔して後をつけ、数少ないきれいなトイレの場所を覚えておくのです。日本人観光客が泊まるようなホテルなら、ロビーやレストランフロアにあるトイレは宿泊客でなくても使用できます。ペーパーを失敬しないのであれば、ですが!

ある旅行相談会で海外旅行はいつもツアーだというご婦人から、「毎朝規則正しくするコツは?」と質問されたことがあります。旅先では、時差もあるし食事や水が変わるのでどうしても「いつもの時間に」というわけにはいかない。団体旅行では指定の時間にバスに乗らなきゃいけないし、乗車も長時間になりがち。日本のように車内にトイレが設置されているバスは、意外に少ないのです。
できれば、出発前にすませたい。
切実です。漢方薬やコーラックに頼る方法もありますが、万が一、タイミングがずれたら悲惨です。ご婦人と話をして、いちばんいいのはイチヂク製品なんじゃないかなあ、という結論に達しました。即効性があってすぐ収まるというのはなかなか旅向きです。まだ試してはいないんだけども。

各国のトイレ事情が、また楽しい

近年は、テロ対策や万引防止の観点からデパートやカフェのトイレを使わせない国も増えてきました。それでも都心部ならトイレに困ることはそうそうありません。夜になると現れるロンドンの路上男性用トイレ(昼間は地下に埋まっている)とか、用をたした人がドアの外に出ると便器が丸ごと洗浄される公衆トイレなど、どの自治体も街の美観や清潔には苦労をしているようです。
節約を是とするフランスでは個室に座ってじっとしていると、一定時間で電気が消されてしまったり、ドイツでは鏡の位置が高すぎて化粧直しができないということもありました。どこを探してもフラッシュレバーがない! 押すのか、引くのか、引っ張るのか・・流し方ひとつとってもお国柄が現れます。

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↑ ドイツの有料トイレ。自動洗浄はいいんだけど、20分で自動的に扉が開くのは犯罪防止とはいえ、心もとない。

トイレが見つかっても、チップがなくて入れなかった・・・という経験を持っている人も多いと思います。おばさんが紙を渡してくれるようなトイレはどんどん少なくなっていますが、実は使用料が必要なトイレはむしろ増えています。エジプトでも、なんとギザのピラミッドにチケット制のトイレが登場(タイトル写真)。今後はチップに悩む必要がなくなるかも(だといいな)。空港にすら「掃除の人にバクシーシ(チップ)を渡さないで」なんて、貼り紙がしてあるお国柄、やっぱり小銭は必要かも。
コインを入れないと鍵が開かない、入場ゲートがあるというタイプも増えています。いつトイレに入りたくなっても大丈夫なように、チップ用の小銭を手元に残しておきましょう。これは先進国でも必要な備えです。

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↑ 手を洗うところもある!エジプトの急行列車。ボットン便所はもう昔のことさ!

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↑ ギザのピラミッド地区のトイレ(タイトル写真)用のチケット。外国人は10ポンド、約60円。相場よりかなり高い印象

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