宿酔。

宿酔が身体を支配している
一本の枝木のように
魂を強奪せんとする掌のように
内臓で蠕動する悪魔の唾は
昨日の僕にはとても甘くて
ソフトクリームより渦巻いていた
天使のように見えていました
地球の裏側までは伝わらない
それでも天使の羽が見えました

綺麗な嘔吐ができて
それを嘲笑することしかできなくて
すぐに嫌気がさして
布団の中で蛹になる
もちろん蝶にはなれなくて
むしろ弱さは殊更に
それでも止めることなどできない
病める時ほど人は哀しい

ハレー彗星よりは頻りに
宿酔は通り過ぎていく
それが嫌なら行かせてしまえ
それが嫌なら死なせてしま

 

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