サンドウィッチ。

大好きな君にサンドウィッチを作る。トースターで焼き上がったパンにナイフを入れる。ピタゴラスに差し出しても恥ずかしくないくらいの綺麗な二等辺三角形に。焦げたパン粉が溢れて躍る。雨粒が水溜まりに滴るように。シャオリ。僕はその音が大好きだ。

挟む具材には人となりが表れる。僕は山菜をたっぷり使って彩ろうと思った。これは……イヌサフランではなくギョウジャニンニク。これは……スイセンではなくニラ。匂いが強すぎるから、香りのいいものでバランスをとろう。これは……ドクゼリではない、セリである。そしてこれは……ドクニンジンではなくシャクだ。マスタードでよく和えて、ベーコンで包む。君は卵が苦手だから、それを挟めばもう完成。

しかし、どれかひとつでも見間違えていれば君は毒に犯されてしまう。ドキドキのサンドウィッチは、僕と君との関係性に相応しいスパイスになる。

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