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神戸旅行へ。

誕生日に中断してしまった神戸旅行に行ってきた。

明石海峡大橋が見たい。その一心の旅行。

二年前とは違い、食費、移動費、ネカフェ一泊以外ほぼお金をかけておらず、超絶リーズナブル旅行。

昼の四時ごろについて、そこから九時まで、五時間。
ずっと橋の近くにいた。

明るい世界から、段々と暗闇に暗転していゆく。
そのグラデーションが見たかった。

曇りで夕暮れの橋は見れなかったけど……。
やっぱり、私はあの場所が好きだ、と思った。

特に、やはり夜が良い。

釣り人の竿を振る音。
浮きがポチャン、と着水する音。
トラックが橋を渡る音。
波の音。
風の音。
潮の香り。
船の汽笛。
遠くで淡く輝く淡路島の夜景と観覧車。

確かに、騒音の混ざり合う小さなオーケスオラがそこには奏でられていた。

その音色に駆られて希死念慮がザワザワとうずきだした。

このままこの暗闇の中に溶け込んで、自分自身の存在が無くなってしまったら。
ここで終点にさせてくれないか。

夜景をずっと見ていると、満足感が身体を満たしていく。

「もう良いんじゃないか?これ以上何を望む人生なんだ?」
「ここを離れたら、またいつもの自殺願望と戦い続ける日々なのか?」

最後の一時間ほどは、現実に引き戻される恐怖心から。
橋の傍を離れられなかった。



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