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ビジネスチャット×AIチャットボット


米Salesforce社は、ビジネスチャットアプリ「Slack」でAIチャットボット「ChatGPT」を利用できるようにすることで、投稿の要約や返信の下書き作成が可能になったと発表しました。

現代のビジネスシーンでは、「Slack」や「Discord」などのビジネスチャットアプリが効率的なコミュニケーションに欠かせないツールとなっています。これらのチャットアプリにAIチャットボットが導入されることで、さらに効率的なコミュニケーションが実現するのでしょうか。以下に、既存のビジネスチャットの特徴と、それらがAIチャットボットによってどのように改良されるかについて考えてみました。

  1. 寝ている間に、グループ内で大量のやり取りがされていて、内容を追うのが一苦労。
    この問題に関しては、AIチャットボットの要約機能が有効かもしれません。大量の会話の内容を簡潔にまとめてくれれば、それだけで大幅な時短になることは間違いありません。

  2. 過去のやりとりを探すのが一苦労。
    過去のやりとりを効率的に検索することは、ビジネスチャットアプリの利用において重要な要素です。現在のビジネスチャットアプリには検索機能がありますが、投稿時期や発言者などの条件があいまいだと過去のやり取りを特定するのに時間がかかってしまいます。AIチャットボットを使用することで、より迅速に必要な情報を検索することができるか試してみる必要があります。

  3. 返事を書いている最中に、他の投稿が割り込んできて、どの投稿に対する返信かがわかりづらくなる。
    素早いコミュニケーションの弊害は、順番を待たずに思い立ったことを発言できることですが、複数人の会話になると投稿が入り乱れてカオスになることがしばしばあります。そもそもアプリの仕様の問題なので、文章の要約や作成に特化したAIチャットボットでは改善できるとは思いません。

  4. 誤字・脱字が多くなる。
    素早い返信を心がけるあまり、理解不能な文章になることがあります。ビジネスチャットアプリには、送信済みの情報を編集できる機能がついているため、誤字脱字に気づけば後から修正が可能です。また、英文に関しては「Grammarly」などのAIスペルチェッカーで、投稿前に随時自動チェックが可能です。AIチャットボットでは、この機能を多言語に対応させることが可能になります。

  5. 素早い返信をするため、👍や「OK」などを多用する。
    この種の返信は、書き手にとっては効率的であるが、受け手にとっても読む手間が省けて有効である。しかし、AIチャットボットによって自動生成された返信が受け手にとって必ずしも効率的な返信であるとは限らない。時には、人間の「めんどくさい」という感覚が、コミュニケーションを効率的にすることもあるかもしれません。

これらの個人的な考察からは、現段階ではAIチャットボットを導入することによる付加価値はあまり大きくないように思えますが、今後AIチャットボットの開発や改良が進むことで、ビジネスチャットアプリにおけるコミュニケーションの質が向上することが期待されます。

注)あくまで、ビジネスチャットアプリを使用した個人的な経験を基に考察したものですが、上記以外にもビジネスチャットアプリの不便な点などがあると思うので、もしご存知でしたら、ぜひ教えていただけると参考になります。


#日経COMEMO #NIKKEI


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