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【ざっくり解説】スマホケースのトレンドの歴史

今回は私のバイイング領域でもある、スマホケースの流行の大まかな歴史を紹介します。

特殊な日本のスマホ市場

まず日本でのスマホケーストレンドは、iPhoneの端末トレンドに大きく依存しています。日本のスマホ市場は世界的に見てもかなり特殊で、簡単に言えば、iPhoneの構成が異常に高い、ということです。世界ではiPhoneとAndroidのシェアは約30:70ですが、日本では60:40と極端にiPhoneの構成が高く、かなり珍しい市場になっています。日本でiPhoneのシェアが大きいのは、諸説ありますが、個人的には、禅にも造詣の深いスティーブ・ジョブズの思想と日本人のマインドの親和性がある、という説が魅力的です。最近でこそAndroidの構成も高まって来ていますが、iPhoneは一時は70%以上のシェアがありました。スマホケースの歴史はiPhoneの歴史と言ってもいいほど、iPhone端末のトレンドに左右されます。スマホケースの流行は、時期によって、次の4つのステージに分類することができます。

第1期 2013年頃まで 手帳型ケース全盛 iPhone5

2007年のiPhone日本発売以来、最初はiPhoneのオプションのひとつだったスマホケースも、スマートフォンが普及するにつれて、徐々にスマホケースという市場もでき始めました。最初にトレンドになったのは、手帳型ケースです。手帳型ケースのヒットの要因は、画面の覗き見防止落下時の画面保護、それから豊富なデザインバリエーションが挙げられます。現在でも手帳型ケースは愛好者が多いですが、端末の大型化により、トレンドとしては、やや下火になっていきます。以下は個人的におすすめの女性向け手帳型ケース、hameeの「サリスティQ」とPGAの「プレミアムスタイル」です。


第2期 2014年〜2016年頃 耐衝撃ケースの台頭 iPhone6/7/8

iPhone6の発売の頃から、落下時の衝撃に強い、耐衝撃ケースのトレンドが起こります。端末が段々と値上がりし、スマホを落とした時の破損から保護したいという顧客の意識が高まる中で、落下時にもっとも壊れやすい4隅をガードした耐衝撃ケースが注目されます。そのような中で、ビッグヒットなったのがiface(アイフェイス)シリーズです。


武骨な商品が多かった耐衝撃ケースにおいて、豊富なカラー展開や、曲線的で女性にも持ちやすいデザインのifaceは大きな流行を生みました。ifaceのヒットを受けて、この時期からしばらく耐衝撃ケースのトレンドが続きます。また、この時期はガラケーからスマホへの買い替え需要も重なり、もっともiPhoneの国内シェアが高かった時期でもあります。

第3期 2017年〜2018年頃 2つのデザイントレンド iPhoneXS/XR

2017年からは、依然としてシェアは高いものの、国内でのiPhoneの伸び率が鈍り出す時期でもあります。またXS/XRの発売より、端末が大型化し、手帳型ケースのトレンドもダウンします。スマホケースは、機能面での進化は一度ストップし、デザインバリエーションの方に進化していきます。そのような中で、2つのデザイントレンドが出てきます。キーワードは「スクエア」「ガラス」です。


スクエアケースは、市場でビッグトレンドとなったifaceの反動と思われます。曲線的なデザインifaceに対して、直線的なデザインのスクエアケースの目新しさから、スクエアケースがトレンドになります。

また素材にガラスを使用したケースも増えてきます。ガラスケースの最大の特徴は、プリントが綺麗に映ることが挙げられます。上記のアピロス の「EYLE」シリーズはスクエアかつガラスで、人気のある商品です。他にも若い女性を中心に、グリッターケースなどデザイン特化のケースがトレンドになってきます。


またこの時期から、スマホケースがファッションアイテムの一部という認識も生まれてきます。ファッショントレンドでは、バッグやサイフの小型化、キャッシュレス決済の普及など、ミニマルスタイルが浸透してきます。スマホケースもファッション性が求められるようになってきています。

第4期 2019年〜現在 クリアケースの時代 iPhone11

そして、現在の一番のトレンドキーワードは、クリア(透明)です。クリアケースが注目される最大の要因は、端末のカラーバリエーションが増えたことです。18年発売のXRが6色、19年発売の11が6色、11Proが4色と、本体のカラー展開が非常に豊富になってきています。それにともなって、端末のカラーが活かせるシンプルなクリアケースがトレンドになってきています。そして、今もっともヒットしているスマホケースが、ifaceリフレクションです。


第2期で紹介した、ifaceの背面がクリアガラスをになった仕様です。最近は少し流通も安定してきましたが、一時期は入手困難なほどの、ビッグヒットとなりました。

ifaceリフレクションのヒットの最大の要因は「耐衝撃+ガラス+クリア」と、今までのトレンドを網羅していることです。言い換えれば、売れる要素が詰まっている商品ということです。突出したヒット商品が不在だったスマホケース市場ですが、久しぶりのビッグヒット商品が誕生しました。今後もクリアケーストレンドはしばらく続きそうです。

まとめ

以上、ざっくりとスマホケースのトレンドの変遷振り返りました。日本のスマホケース市場は、iPhoneの端末の変化にかなり依存していると言えます。裏を返せば、日本の市場がこれだけiPhoneのシェアが高かったからこそ、バリエーションのあるスマホケース市場ができた、とも言えるでしょう。日常生活に欠かせないものとなったスマートフォンのケースを、少しでも楽しんで選んでいただけたら、バイヤーとしてこれほど嬉しいことはありません。奥が深いスマホケース世界を、これからもよろしくお願いします。

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