見出し画像

マーティン・スコッセシ監督作品は好きですか?

 前回、アメリカ映画の心配事を書いている中で「アメリカには素晴らしい監督が居るのに。。。」と書き記した。
誰が居ただろうかと調べていたら出るは出るわ。ということで、アメリカの映画監督を浅堀りしていきます。
第一弾としてマーティン・スコセッシ監督作品はどうでしょうか?

タクシードライバー 1976年

 リアルタイムでは観ていないのですが、パルム・ドール賞作品ということで後年観ました。ここで、ロバート・デ・ニーロの俳優像が私の中に出来上がりました。観ながら“怖っ”と思いましたね 
 タクシードライバーとして働くベトナム戦争の帰還兵が、段々壊れていく様子が描かれている映画。戦争のつらい経験もあって世の不条理を嘆き苛立ちを募らせる。居ても立っても居られない彼は自己鍛錬をするようになる
そして、ある日銃を手に入れて変貌してしまう。この帰還兵トラヴィスを演じたのがデ・ニーロ 拳銃を抜き差しする場面は忘れられない。

タクシードライバー 1976年

 ニューヨークの夜の街を走りながら色々目にするトラヴィス。ストリートガールもその一人、ここに13歳のジョディ・フォスターが出ている。そこもこの映画はびっくり!大人過ぎるよ~ 
 ベトナム戦争絡みの映画は多く製作されていて、私も数十本観たのですが、深く記憶に残っている映画の一つです

ハスラー2 1986年

 いきなり“2”って何?と思ったけどこれだけで観ても問題無しの作品でした。渋いポール・ニューマンが気になって観た映画。この頃はビリヤードが流行っていたのか、日本のドラマにもちょこちょこ登場していたように思う。
 内容は、賭けビリヤードから足を洗いセールスマンをしていたエディ(ポール・ニューマン)の前に現れた若き遊び人プレイヤーヴィンセント(トム・クルーズ)球を打つ姿を見て血が騒ぐエディ、こいつはいけると思ったのかヴィニーを誘い武者修行の旅に出る。そこで賭けビリヤードやゲームの進め方を伝授しお金を儲けていく。ある時、ヴィニーに屈辱的な負け方をするエディ、その後別れて個々に活動するが、運命のめぐり合わせで再会、そしてゲームが始まる。

ハスラー2 1986年

 この話は“地球に落ちてきた男”などを書いたウォルター・デイビスが原作を書いているだけあって、筋がしっかりとしている作品。その証拠にポール・ニューマンはこの映画で主演男優賞を獲っている。因みに私はビリヤードが全く出来ません。

ケープフィアー 1991年

 これも、ロバート・デ・ニーロの怪演が光った映画でしたね。逃げ場がない酸欠になりそうな映画が実は苦手な私。予算的には低かったのではないかと勝手に思っているのだが、どうだったのかな? 
 一言でいうと犯罪者の復讐劇なんだけど、そんなに憎むかってほどに憎悪の塊になったマックスを演じたデ・ニーロ 14年の刑期を終え、出所後弁護士への復讐を企ていく。初めはイタズラ程度だったが段々エスカレートしていく。弁護士の娘ダニー(ジュリエット・ルイス)は寄ってくるマックスに惹かれていくが、最後にとんでもない奴だと分かり逃げ出す。どうしようもない娘だが命がけで守る母のリー(ジェシカ・ラング)の迫真の演技は脳裏に焼き付いている。公正な判断、弁護をすれば、サム(ニック・ノルティ)も家族を巻き込む復讐劇を生むことはなかっただろうに。 

ケープフィアー 1991年

 ちょい悪(だいぶ悪)男に憧れる少女の上目使いのカットがジュリエットだから妙に真実味があったのと、記憶に残っているのはマックスのタトゥーが印象的だったわ。数はプロサッカー選手に負けるからコメントなしで。
あと、この映画は「恐怖の岬」1962年のリメイク版

エイジ・オブ・イノセンス 1993年

 ダニエル・ディ・ルイスが好きだったので迷わず観ちゃった。ウィノア・ライダーも可愛くて良かったわ~時代背景は1870年、上流社会の恋愛模様を描いたお話。
 弁護士のニューランド・アーチャー(ダニエル)は婚約者のメイ(ウィノア・ライダー)の可憐で純粋無垢なところに惹かれている ある日パワハラ夫にから逃れる為にアメリカに戻って来たエレン(ミシェル・ファイファー)を見た途端、知的で美しい彼女に心を奪われてしまう。不倫の恋と自責の念のあいだで揺れ動く男をダニエルが綺麗に演じている。

エイジ・オブ・イノセンス 1993年

 これはスコセッシにしてはスケールが小さい映画だと思ったのですが
終盤に30年後を描いているので、そうきたのねと感じた作品です。そして、この映画は衣装が素晴らしくて映像が綺麗でした。アカデミーの衣装デザイン賞を受賞したのも納得です。
コスチュームものが好きな方にはおすすめです。

ギャング・オブ・ニューヨーク 2002年

 単に殺し合うような中身の薄い映画に興味はないのですが、この映画は本に深みがある感じがして観た作品。父親を殺された息子の復讐劇のなかに描かれる人間ドラマに、スコセッシ監督らしさがありました。 
 ヨーロッパを大飢饉が襲った19世紀初め多くの移民がアメリカへ。住むことが許されたのはネイティブ・アメリカンが居る場所で、当然小競り合いが始まる。アイルランド移民デッド・ラビッツ VS ネイティブ・アメイカンズの抗争は激化していき1対1の決闘になる。勝ったのはネイティブ・アメリカンのザ・ブッチャー(ダニエル・ルイス)負けたのはデッド・ラビッツのヴァロン神父(リーアム・ニーソン)その息子アムステルダム(レオナルド・ディカプリオ)は目の前で父親を殺されて復讐を誓う。

ギャング・オブ・ニューヨーク 2002年

 この時代アメリカは南北戦争や溢れかえる移民など不安定な社会で市民の不満が爆発することもあり、そのことにも触れているので筋が分からなくなる感じがするが、監督は全てを出したかったのかな?なんせ構想30年も要したとみたいだしね。この映画からディカプリオとのタッグが始まった記念の作品、ちょっと長いけど俳優たちの演技は見ものだし、これまた衣装が可愛い。

 名監督と言ってもずっと旬が続くわけがないけど、今なお数字が取れるのは過去の功績があるからであって、彼のようになりたいと思っている若い監督も多く居るはず。会ったこともないし、見たこともないけど、彼は真面目で正直な人なのかなと思う、「マーティン・スコッセシ」これだけでサインする人が多くいるのはでは?

マーティン・スコッセシ監督

 今年は“キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンが封切られました。御年81歳の監督、イタリア移民の2世としてニューヨークに生まれた生粋のニューヨーカー まだまだ構想はありそうですのでこれからも頑張って欲しいものです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?