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読書記録

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主に通勤中に読んだ本のアウトプットを行っています。
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#読書感想

「ぴえんこえてぱおん」にも学術的説明が…!?【読書記録#20】【『言語の本質』今井むつみ・秋田喜美】

新書大賞2024の第1位という人気の書籍ということで購入。表紙を見てみると、どうやら各界の著名人が絶賛しているらしい。学生時代に言語学に関する本を少し読んだことがあり、気になったこともあり読み進めることに。 本書はオノマトペ研究の最前線を行くふたりが執筆している。ふたりがオノマトペについて話していると最終的に必ず「言語の本質とは何か」という問いに行きつくらしい。ということはオノマトペを紐解けば、言語の本質に近づくことができるのではないか。その考えから出発して、本書は論を進め

【読書記録#18】シーソーモンスター(伊坂幸太郎)

伊坂幸太郎発案の<螺旋プロジェクト>という、8人の作家が共通のルールを決め、歴史物語を書いていくという企画。それぞれの物語内において、共通のモチーフや言葉が出てくる仕掛けになっているが、どの作品を単体で読んでも成立するようになっている。 また大きなテーマとしてどの物語でも「対立」を掲げている。今回の歴史物語というくくりの中で出てくる「海族」「山族」。これらの対立関係が、その舞台となる時代の子孫同士でも続いてしまう。その対立がどのように進展していくのか、読みどころのひとつであ

【読書記録#17】メンタル脳(アンデシュ・ハンセン)

「現代人のメンタルは『史上最悪』」という帯が目を引いた本著書。 心の問題に対して、10代向けに執筆されたこの本を入門として読んでみることに。 ティーン向けの本ということもあり、この理論でこう説明されているからこうだとか、小難しいことはあまり書いていない。この著者の入門としては非常に読みやすいのではないだろうか。 本書で言われていることは、「現代において抱える不安というのは、狩猟時代から変化していない脳が起こしている正常な防衛反応である」ということ。我々の脳はまだ狩猟時代だ

【読書記録#16】頭のよさは国語力で決まる(齋藤孝)

以前読んだ『読書力』と同じ著者の本。 そんなタイトルつけられたら読むしかないじゃない!と思いまんまと購入。 著者の問題意識としては下記の通り。 確かに、著者の言っている「自分の国語力に自信がもてない人」は自分の周りでもちらほらいる。「コミュニケーション能力を高めたい」「語彙力を増やしたい」と嘆いている人がいるが、そういう人に限って、活字の本を読むのは難しそうとか、アニメとか他のことに時間を使いたいとか、何かと理由をつけて避けようとしている。 著者の言う「江戸時代の子ども

【読書記録#15】どくとるマンボウ青春記(北杜夫)

【読書記録#12】で読んだ、齋藤孝『読書力』の末尾に挙げられた、読書力を鍛える文庫本の1つとして挙げられていたため挑戦。 恥ずかしながら北杜夫先生の作品を読むのが初めてのため、いわゆる「マンボウもの」に触れたのも今回が初めてである。 wikipediaいわく、本書はその「マンボウもの」の作品群の1つで、随筆・エッセイにあたるとのこと。 本作品では自身のことを「マンボウ氏」として扱っており、マンボウ氏が戦後間もない旧制松本高校時代と医大生時代とで過ごした青春時代を記してい

【読書記録#14】ニューロマンサー(ウィリアム・ギブスン)

単刀直入に言う。非常に難解な作品だった。 読了直後にwikipwdiaを見てなるほど?となったところで書き始める。 職場の同僚に勧められて読み始めたものの、1日20ページも進まず1か月近くでなんとか読破。おすすめしてくれた同僚は「これを読めればすべてのSF作品が読めるようになるといっても過言ではない」というようなことを言っていた。 そもそも自分がSF作品に慣れ親しんでいないということもあるが、状況の把握に非常に時間がかかってしまった。「電撃的文体」という表現らしい(本書裏

【読書記録#13】一生頭がよくなり続けるすごい脳の使い方(加藤俊徳)

30代になって、読書を基本とした勉強に改めて興味を持つようになった。学生の時は勉強して様々な意見を出せるようにすることがある種ステータスみたいなところがあった。 実際自分の学部の研究以外にも授業受けたり、学校外で他の分野の活動したり、非常に精力的に取り組んでいた。(しかし何を学んだかほとんど記憶がない) 今回は大人になってからしっかり勉強するのも十分可能だよ、むしろ大人になってからの方がしっかり学べるよ、という本。 「学生の時はあんなに覚えられたのにな…」と感じることが多

【読書記録#12】読書力(齋藤孝)

以前noteで見た記事で、記述能力が上がる本の1冊に紹介されていたため購入。 本書を読み終えて、今までの自分がやっていた読書について、改めて考える機会となった。2002年の本ということもあり、さまざまな人が感想を書いているはずなので、自分は印象に残ったことを3点残すのみとしようかな。 ①「読書力がある」状態は4年間の間に読み応えのある文庫本を100冊・新書を50冊以上読む、という経験を積んだ時に言う 本書特有の基準だと思うが、改めて基準を出されるとわかりやすい。近年出てい

【読書記録#11】成瀬は天下を取りにいく(宮島未奈)

本屋で話題書としてピックアップされていて気になったので購入。 「最強の主人公」として紹介される、クセの強い女子中学生「成瀬あかり」の物語。 本書籍は基本的に成瀬ではなく、親友の島崎をはじめとして、成瀬の周囲にいる人物の視点となっている。クセのある成瀬の言動を、それぞれの人物がツッコミや感想など入れていくような形式。 読んでみた感じ、成瀬の突拍子もない発言から物語が始まるので、成瀬のクセの強さに目が行きがちだが、実は最初に成瀬について語る親友の島崎も成瀬に負けず劣らずクセ

【読書記録#10】『学びを結果に変えるアウトプット大全』樺沢紫苑

読書記録がついに大台の2桁に乗って嬉しいどめすです。 週に1回だけど、このくらいアウトプットを続けられたのは自信になっています。 さて、今回はタイトルの通りアウトプットにまつわる本。アウトプットには様々な形があり、本書でそれぞれのメリットが語られている。 本書で勉強になったところはこちら。 ①自己成長量はアウトプットを行うことでさらに増える 本を10冊読んでそのアウトプットをしない人と、本を3冊読んで3冊ともアウトプットを行う人だとどちらが成長するか。後者の方が記憶の定

【読書記録#6】『厨房の哲学者』

朝の情報番組、「羽鳥慎一モーニングショー」で紹介されていたので購入。 著者の脇屋友詞さんが、中学生からお父さんに命じられた形で中華料理店で働くことになり、そこから中華料理の道を究めるという内容のエッセイ。 多くの人は、自分の夢や職業について、なりたいと思ったものを志していく。実際なれるかどうかはさておき、自分の意志でなりたいものまでの道筋を決めていく。だから若いうちはどんなものにでもなれる、そんなことを考えてしまう。 しかし脇屋さんは違った。易学者(簡単に言うと占い師みた

ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』【読書記録#3】

通勤中に涙したどめすです。 読んだことがなかった名著『アルジャーノンに花束を』を読み終えた。 世界観にまんまと引き込まれ、ページをめくる手が止まらなかった。通勤中でなければ1日中読んでいたかもしれない作品。 タイトルは聞いたことがあったが、どんな話かまったく知らなかった。投稿主がよく聞くバンドのヨルシカが「アルジャーノン」という曲を出していたのも後押しとなり購入。 本作品は32歳でありながら、6歳程度の知能指数であるチャーリィ・ゴードンという男性が主人公となっている。養

松岡正剛×津田一郎『初めて語られた化学と生命と言語の秘密』どめすの読書記録#2

数学の魅力をつかむことなく学生時代を終えてしまったどめすです。 今回表紙と表紙裏の文言に釣られて、表題の本を買ってしまった。 ↓裏はこんな感じ。 「まだ答えの出ない最高の難問に挑む!」 こんなことを書かれていたのでどんな本かと気になって購入。 中身をそれほど見ずに買ってしまったので、本書の内容が非常に学術的なことに気づくことができなかった(ちょっとした後悔)。 いわゆる文系といわゆる理系、その双方でエキスパートがお互いの視点を持ち寄って世界の解釈について対談を行ったもの