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読書記録

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主に通勤中に読んだ本のアウトプットを行っています。
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「ぴえんこえてぱおん」にも学術的説明が…!?【読書記録#20】【『言語の本質』今井むつみ・秋田喜美】

新書大賞2024の第1位という人気の書籍ということで購入。表紙を見てみると、どうやら各界の著名人が絶賛しているらしい。学生時代に言語学に関する本を少し読んだことがあり、気になったこともあり読み進めることに。 本書はオノマトペ研究の最前線を行くふたりが執筆している。ふたりがオノマトペについて話していると最終的に必ず「言語の本質とは何か」という問いに行きつくらしい。ということはオノマトペを紐解けば、言語の本質に近づくことができるのではないか。その考えから出発して、本書は論を進め

【読書記録#19】働きたくなる職場のつくり方(荒川陽子)

「働きがい」ってなんだろう?それはどんな職場にも備わっているのだろうか?そんなふとした疑問に回答をするのが本書。 様々な会社の事例から、従業員が仕事に参加できるような仕組みや状態を示していくという内容になっている。 冒頭の問に対する回答だが、本書では「働きやすさ+やりがい=働きがい」という方程式を打ち出している。「働きやすさ」は文字通り福利厚生など職場環境が衛生的に保たれていることや、休日がしっかりしているという環境面がきちんと整備されているかどうかが評価される。 一方「

【読書記録#18】シーソーモンスター(伊坂幸太郎)

伊坂幸太郎発案の<螺旋プロジェクト>という、8人の作家が共通のルールを決め、歴史物語を書いていくという企画。それぞれの物語内において、共通のモチーフや言葉が出てくる仕掛けになっているが、どの作品を単体で読んでも成立するようになっている。 また大きなテーマとしてどの物語でも「対立」を掲げている。今回の歴史物語というくくりの中で出てくる「海族」「山族」。これらの対立関係が、その舞台となる時代の子孫同士でも続いてしまう。その対立がどのように進展していくのか、読みどころのひとつであ

【読書記録#17】メンタル脳(アンデシュ・ハンセン)

「現代人のメンタルは『史上最悪』」という帯が目を引いた本著書。 心の問題に対して、10代向けに執筆されたこの本を入門として読んでみることに。 ティーン向けの本ということもあり、この理論でこう説明されているからこうだとか、小難しいことはあまり書いていない。この著者の入門としては非常に読みやすいのではないだろうか。 本書で言われていることは、「現代において抱える不安というのは、狩猟時代から変化していない脳が起こしている正常な防衛反応である」ということ。我々の脳はまだ狩猟時代だ

【読書記録#16】頭のよさは国語力で決まる(齋藤孝)

以前読んだ『読書力』と同じ著者の本。 そんなタイトルつけられたら読むしかないじゃない!と思いまんまと購入。 著者の問題意識としては下記の通り。 確かに、著者の言っている「自分の国語力に自信がもてない人」は自分の周りでもちらほらいる。「コミュニケーション能力を高めたい」「語彙力を増やしたい」と嘆いている人がいるが、そういう人に限って、活字の本を読むのは難しそうとか、アニメとか他のことに時間を使いたいとか、何かと理由をつけて避けようとしている。 著者の言う「江戸時代の子ども

【読書記録#15】どくとるマンボウ青春記(北杜夫)

【読書記録#12】で読んだ、齋藤孝『読書力』の末尾に挙げられた、読書力を鍛える文庫本の1つとして挙げられていたため挑戦。 恥ずかしながら北杜夫先生の作品を読むのが初めてのため、いわゆる「マンボウもの」に触れたのも今回が初めてである。 wikipediaいわく、本書はその「マンボウもの」の作品群の1つで、随筆・エッセイにあたるとのこと。 本作品では自身のことを「マンボウ氏」として扱っており、マンボウ氏が戦後間もない旧制松本高校時代と医大生時代とで過ごした青春時代を記してい

【読書記録#14】ニューロマンサー(ウィリアム・ギブスン)

単刀直入に言う。非常に難解な作品だった。 読了直後にwikipwdiaを見てなるほど?となったところで書き始める。 職場の同僚に勧められて読み始めたものの、1日20ページも進まず1か月近くでなんとか読破。おすすめしてくれた同僚は「これを読めればすべてのSF作品が読めるようになるといっても過言ではない」というようなことを言っていた。 そもそも自分がSF作品に慣れ親しんでいないということもあるが、状況の把握に非常に時間がかかってしまった。「電撃的文体」という表現らしい(本書裏

【読書記録#13】一生頭がよくなり続けるすごい脳の使い方(加藤俊徳)

30代になって、読書を基本とした勉強に改めて興味を持つようになった。学生の時は勉強して様々な意見を出せるようにすることがある種ステータスみたいなところがあった。 実際自分の学部の研究以外にも授業受けたり、学校外で他の分野の活動したり、非常に精力的に取り組んでいた。(しかし何を学んだかほとんど記憶がない) 今回は大人になってからしっかり勉強するのも十分可能だよ、むしろ大人になってからの方がしっかり学べるよ、という本。 「学生の時はあんなに覚えられたのにな…」と感じることが多

【読書記録#12】読書力(齋藤孝)

以前noteで見た記事で、記述能力が上がる本の1冊に紹介されていたため購入。 本書を読み終えて、今までの自分がやっていた読書について、改めて考える機会となった。2002年の本ということもあり、さまざまな人が感想を書いているはずなので、自分は印象に残ったことを3点残すのみとしようかな。 ①「読書力がある」状態は4年間の間に読み応えのある文庫本を100冊・新書を50冊以上読む、という経験を積んだ時に言う 本書特有の基準だと思うが、改めて基準を出されるとわかりやすい。近年出てい

【読書記録#11】成瀬は天下を取りにいく(宮島未奈)

本屋で話題書としてピックアップされていて気になったので購入。 「最強の主人公」として紹介される、クセの強い女子中学生「成瀬あかり」の物語。 本書籍は基本的に成瀬ではなく、親友の島崎をはじめとして、成瀬の周囲にいる人物の視点となっている。クセのある成瀬の言動を、それぞれの人物がツッコミや感想など入れていくような形式。 読んでみた感じ、成瀬の突拍子もない発言から物語が始まるので、成瀬のクセの強さに目が行きがちだが、実は最初に成瀬について語る親友の島崎も成瀬に負けず劣らずクセ

【読書記録#10】『学びを結果に変えるアウトプット大全』樺沢紫苑

読書記録がついに大台の2桁に乗って嬉しいどめすです。 週に1回だけど、このくらいアウトプットを続けられたのは自信になっています。 さて、今回はタイトルの通りアウトプットにまつわる本。アウトプットには様々な形があり、本書でそれぞれのメリットが語られている。 本書で勉強になったところはこちら。 ①自己成長量はアウトプットを行うことでさらに増える 本を10冊読んでそのアウトプットをしない人と、本を3冊読んで3冊ともアウトプットを行う人だとどちらが成長するか。後者の方が記憶の定

【読書記録#9】『トヨタリーダー1年目の教科書』(株)OJTソリューションズ

できる限りプレイヤーとして働きたいどめすです。 本屋でビジネス書を探しているとトヨタのコーナーを発見し、帯に『これからのリーダーに必要なのは「協働する力」だ』と記載があり、自分が職場で進めていきたい方針だったため、大企業はどんなものか知れたらいいなと思い購読。 読んでみて、学んだこととしては下記の3つ。 ①トヨタではリーダーが新入社員を教育する際に、「めんどう見」というシステムを用いている。作業を綿密に教えるだけでなく、徹底的に新人のフォローを行い、業務内容だけでなくき

【読書記録#8】『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』山本渉

仕事は自分でやった方が早いと感じているどめすです。 会社員として働いていると、教育係になったり昇進をしたりして、いわゆる後輩・部下といった存在ができるようになる。 どうやったらその人たちを成長させることができるのか。上司として働くうえで、毎日の課題として向き合うべき事柄である。 実際に「仕事を処理する」という一点であれば、自分が対応に回った方が早いときが多い。しかしそれでは後輩・部下が成長しないだけでなく、仕事ができる人間が育たなくなるので、会社全体の成長につながらない。

【読書記録#7】『エレファントヘッド』白井智之

今まで本をあまり読んでいなかったので、著者の白井智之さんを知らなかったのだが、近くの本屋のミステリ大賞みたいな特集の中にあったため、ジャケット買い。 もしかしたら読んでいない人がこの記事を見てくださる可能性もあり、滅多なことは書けないのだが、展開が非常に読めず、読み進めると「次はどうなるんだ!?」というわくわく感がとどまることを知らなかった。 いつも通り通勤時に読んでいたが、心拍が上がるのを感じられるほど魅力的な作品だった。作品紹介にもある「多重解決ミステリってなんやねん