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どめすの読書記録

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読んだ本のアウトプットを行っています。
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記事一覧

サムネイルは奥深い。【読書記録#24】【サムネイルデザインのきほん 伝える、目立たせるためのアイデア/瀧上園枝】

普段noteやYoutubeなど、さまざまな場面で目にするサムネイル。 いつもnoteに投稿する際は、すでに完成されている画像をお借りして投稿させてもらっている。 最近PhotoshopなどAdobe製品を触るようになり、「どのような意識でサムネイルを作ればよいのだろう?」と気になったので早速勉強してみることに。 そもそもサムネイルとは【thumbnail(=親指の爪)】という英語由来の言葉で、親指の爪ほどの小さな領域でコンテンツの魅力を紹介する画像のこと。これを見て視聴

対話の力を考える。【読書記録#23】【『ダイアローグ 価値を生み出す組織に変わる対話の技術』熊平美香】

「コミュニケーションが不足している。」 最近職場でキーワードとして挙がっている、コミュニケーション不足。 仕事・作業内容にもよると思うが、コミュニケーションはほとんどの仕事で必要な能力となっている。 コミュニケーションといっても、その内容は多岐に渡り、つかみどころのない言葉だなぁとつくづく思う。 その中でも、今回読んだ本は「対話」にフォーカスしている。 普段言われている「コミュニケーション不足」は対話不足なのではないかというところもあったので、ヒントが得られるとよいなと

普段どんな「価値」を買っているんだろう?【読書記録#22】【『ドリルを売るには穴を売れ』佐藤義典】

買い物するときに、「モノを買うときに、どんな『価値』を買うことになるのだろうか」と考えたことはあるだろうか? いざ問われると考えるのだろうが、深く考えて購入することはあまりない、というのが自分の回答である。 本書はマーケティングの入門書として執筆され、初心者にもわかりやすいようにストーリー仕立てでマーケティングの考え方を教えてくれる。タイトルにも現れており、購入する人が何を求めているのかを考えることがマーケティングの根幹だと述べている。 今一度タイトルの意味に触れること

「問い」の奥深さを感じる1冊。【読書記録#21】【『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』安斎勇樹・塩瀬隆之】

皆さんは「ファシリテーション」という言葉をご存じだろうか? 個人的にはあまり聞き馴染みのない言葉かなと。 「ファシリテーション(facilitation)」は「促進する」「容易にする」といった意味を持つ英語「ファシリテート(facilitate)」を名詞化したもの。 主に企業や学校、地域などでの問題解決を容易にするための働きかけといった文脈となる。 問題解決の場として会議形式だけでなく、ワークショップという体験型の知識創造の場を設ける場合がちらほら出てきている。筆者も10年

「ぴえんこえてぱおん」にも学術的説明が…!?【読書記録#20】【『言語の本質』今井むつみ・秋田喜美】

新書大賞2024の第1位という人気の書籍ということで購入。表紙を見てみると、どうやら各界の著名人が絶賛しているらしい。学生時代に言語学に関する本を少し読んだことがあり、気になったこともあり読み進めることに。 本書はオノマトペ研究の最前線を行くふたりが執筆している。ふたりがオノマトペについて話していると最終的に必ず「言語の本質とは何か」という問いに行きつくらしい。ということはオノマトペを紐解けば、言語の本質に近づくことができるのではないか。その考えから出発して、本書は論を進め

【読書記録#19】働きたくなる職場のつくり方(荒川陽子)

「働きがい」ってなんだろう?それはどんな職場にも備わっているのだろうか?そんなふとした疑問に回答をするのが本書。 様々な会社の事例から、従業員が仕事に参加できるような仕組みや状態を示していくという内容になっている。 冒頭の問に対する回答だが、本書では「働きやすさ+やりがい=働きがい」という方程式を打ち出している。「働きやすさ」は文字通り福利厚生など職場環境が衛生的に保たれていることや、休日がしっかりしているという環境面がきちんと整備されているかどうかが評価される。 一方「

【読書記録#18】シーソーモンスター(伊坂幸太郎)

伊坂幸太郎発案の<螺旋プロジェクト>という、8人の作家が共通のルールを決め、歴史物語を書いていくという企画。それぞれの物語内において、共通のモチーフや言葉が出てくる仕掛けになっているが、どの作品を単体で読んでも成立するようになっている。 また大きなテーマとしてどの物語でも「対立」を掲げている。今回の歴史物語というくくりの中で出てくる「海族」「山族」。これらの対立関係が、その舞台となる時代の子孫同士でも続いてしまう。その対立がどのように進展していくのか、読みどころのひとつであ

【読書記録#17】メンタル脳(アンデシュ・ハンセン)

「現代人のメンタルは『史上最悪』」という帯が目を引いた本著書。 心の問題に対して、10代向けに執筆されたこの本を入門として読んでみることに。 ティーン向けの本ということもあり、この理論でこう説明されているからこうだとか、小難しいことはあまり書いていない。この著者の入門としては非常に読みやすいのではないだろうか。 本書で言われていることは、「現代において抱える不安というのは、狩猟時代から変化していない脳が起こしている正常な防衛反応である」ということ。我々の脳はまだ狩猟時代だ

【読書記録#16】頭のよさは国語力で決まる(齋藤孝)

以前読んだ『読書力』と同じ著者の本。 そんなタイトルつけられたら読むしかないじゃない!と思いまんまと購入。 著者の問題意識としては下記の通り。 確かに、著者の言っている「自分の国語力に自信がもてない人」は自分の周りでもちらほらいる。「コミュニケーション能力を高めたい」「語彙力を増やしたい」と嘆いている人がいるが、そういう人に限って、活字の本を読むのは難しそうとか、アニメとか他のことに時間を使いたいとか、何かと理由をつけて避けようとしている。 著者の言う「江戸時代の子ども

【読書記録#15】どくとるマンボウ青春記(北杜夫)

【読書記録#12】で読んだ、齋藤孝『読書力』の末尾に挙げられた、読書力を鍛える文庫本の1つとして挙げられていたため挑戦。 恥ずかしながら北杜夫先生の作品を読むのが初めてのため、いわゆる「マンボウもの」に触れたのも今回が初めてである。 wikipediaいわく、本書はその「マンボウもの」の作品群の1つで、随筆・エッセイにあたるとのこと。 本作品では自身のことを「マンボウ氏」として扱っており、マンボウ氏が戦後間もない旧制松本高校時代と医大生時代とで過ごした青春時代を記してい

【読書記録#14】ニューロマンサー(ウィリアム・ギブスン)

単刀直入に言う。非常に難解な作品だった。 読了直後にwikipwdiaを見てなるほど?となったところで書き始める。 職場の同僚に勧められて読み始めたものの、1日20ページも進まず1か月近くでなんとか読破。おすすめしてくれた同僚は「これを読めればすべてのSF作品が読めるようになるといっても過言ではない」というようなことを言っていた。 そもそも自分がSF作品に慣れ親しんでいないということもあるが、状況の把握に非常に時間がかかってしまった。「電撃的文体」という表現らしい(本書裏

【読書記録#13】一生頭がよくなり続けるすごい脳の使い方(加藤俊徳)

30代になって、読書を基本とした勉強に改めて興味を持つようになった。学生の時は勉強して様々な意見を出せるようにすることがある種ステータスみたいなところがあった。 実際自分の学部の研究以外にも授業受けたり、学校外で他の分野の活動したり、非常に精力的に取り組んでいた。(しかし何を学んだかほとんど記憶がない) 今回は大人になってからしっかり勉強するのも十分可能だよ、むしろ大人になってからの方がしっかり学べるよ、という本。 「学生の時はあんなに覚えられたのにな…」と感じることが多

【読書記録#12】読書力(齋藤孝)

以前noteで見た記事で、記述能力が上がる本の1冊に紹介されていたため購入。 本書を読み終えて、今までの自分がやっていた読書について、改めて考える機会となった。2002年の本ということもあり、さまざまな人が感想を書いているはずなので、自分は印象に残ったことを3点残すのみとしようかな。 ①「読書力がある」状態は4年間の間に読み応えのある文庫本を100冊・新書を50冊以上読む、という経験を積んだ時に言う 本書特有の基準だと思うが、改めて基準を出されるとわかりやすい。近年出てい

【読書記録#11】成瀬は天下を取りにいく(宮島未奈)

本屋で話題書としてピックアップされていて気になったので購入。 「最強の主人公」として紹介される、クセの強い女子中学生「成瀬あかり」の物語。 本書籍は基本的に成瀬ではなく、親友の島崎をはじめとして、成瀬の周囲にいる人物の視点となっている。クセのある成瀬の言動を、それぞれの人物がツッコミや感想など入れていくような形式。 読んでみた感じ、成瀬の突拍子もない発言から物語が始まるので、成瀬のクセの強さに目が行きがちだが、実は最初に成瀬について語る親友の島崎も成瀬に負けず劣らずクセ