まったりM&A現場閑話★独禁法Part.1(企業結合クリアランス)
(久々に、まったり閑話します♪)
独禁法ってご存じですよね。
好きな娘の手と自分の手がちょっと当たって『どっきん❤』ってなる、あれではありません。
「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(通称、独禁法)」のことで、カルテルなどを禁じる有名な法律ですね。
ちなみに、国際的には「競争法(Competition Law)」と呼ばれます。
なんでいきなり、こんな話題を言うのかというと、
『最近、アマゾンがルンバ買収を断念したり、アドビがFigma買収を断念したりというニュースが相次いだから!』
これは、M&Aにおける競争法の影響が原因になっています。
M&Aをする場合、「M&Aによって企業が結合することによって、不当に巨大なシェアを確立し、市場を独占することで公正な競争環境を壊していないか?」という視点から、一定の基準(各国での売上高やシェアなど)を超える場合、各国競争法に基づき「企業結合」の事前届出が必要です(後述参照)
『企業結合の事前届出だけなら、しっかり届出すれば問題ないんじゃね?』
と思うのですが、実は届出をしただけではM&Aは実行できません。
届出をされた関係当局(日本の場合は公正取引委員会)は、そこから審査を行い、「問題ない」と分かったらクリアランスを出します。
クリアランスとは「排除措置命令を行わない旨の通知」です。
つまり、逆に言うと、
『クリアランスがないままにM&A実行しても、後から法的に排除(=M&Aを無効化)してやることもできるんだからねっ!』
ってことでかなり怖い話です。
冬のクリアランスセールだ、わーい。などと言ってる場合ではありません。
なので、さすがに大概みなさんクリアランスをまじめにとりに行きます。
でも、これがまた実務上はめちゃくちゃ大変なんです💦
①自社や買収相手の世界中各国売上高を調べ上げて、どの国に届出を出すかを決めます(弁護士雇用必須です。コストもかかります。なので、リスクの度合いによって、最低限に絞りに行きます)
②届出国の当局に事前相談(ない国もあるかも。日本は事前相談あります)
ここで、根掘り葉掘り質問され、追加情報(各事業のシェアなど)を聞かれます
③そして、準備が整ったらやっと、
「届出しにおいで❤」と言われて、届出が受理されます。
ああ、文字数が💦
次回に続かせてくださいm(__)m
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