見出し画像

見た目で理解!大手コンビニざっくり分析【どまコラ】

ここしばらくコンビニ各社の分析を楽しませていただいたので、今日は一つの区切りとして大手3社のライバル関係をざっくり比較分析してみました。
(この記事でコンビニ特集は終了です。もうしばらくお付き合いください。今日はスイーツ話ですm(__)m)

なんか三国志のような競争関係になっています。
圧倒的王者であるセブンイレブンの牙城はゆるぎないのか?自由気ままに分析していきますのでお楽しみください。

【ポイント】をグラフと灰色ハッチングでまとめていますので、ハッチング部分のみ読み、あとは飛ばしてもらって大丈夫です(^^♪

各社の経緯(トップ画参照)

まずは各社の経緯を簡単に紹介します。

セブンイレブン
・米国元祖セブンイレブンからライセンスを受け、ヨーカ堂が日本初コンビニを設立
・2005年に米国セブンイレブンを逆に完全子会社化+ヨーカ堂と経営統合しセブンアイHDを設立 ➡ 親を乗り越えグループの王座に就く
・国内での大きなM&Aは行わず、自社で地道に成長・1位を継続維持
・海外についてはちょこちょこと買収を進めており、直近にも大型M&A(Speedwayを2.3兆円買収)で勝負に出たところ
3社の中では唯一の独立系のコンビニ王者(あと2社は商社傘下)
ローソン
・ダイエーが設立、2017年に三菱商事によるTOBで商社傘下に参入
・国内でコンビニ・非コンビニ含め積極的なM&A・資本提携を展開
・現在は、ローソン・ポプラ・スリーエフの三社で業務資本提携関係
ファミマ
・西友が設立、1998年以降は伊藤忠を筆頭、2020年に伊藤忠がTOBで完全子会社化され商社傘下に参入
・2010年前後からam.pm、ココストア、サークルKサンクスを立て続けに吸収しファミリーマートブランドに統合し競争力を強化

ブランドの強さ分析

そもそも、セブンイレブンはなぜ圧倒的王者と言われ疑われないのでしょうか。データで見てみましょう。

① 店舗数(一部推定含む)

画像2

【ポイント】➡セブンイレブンが国内・海外とも店舗数多い

国内ではセブンイレブンが2万店舗超えと少し頭が出ています。
少しといえど、すでに飽和している国内市場なので、各社ともこれ以上大幅な新規店舗開拓は望めないので、この差は見た目以上にクリティカルな差といえます。

海外ではセブンイレブンが圧勝ですね。やはり地味に海外店舗のM&Aを繰り返し・元祖7-Eleven,Inc子会社化の効果でしょう。ここにさらにSpeedaway買収による店舗が加わります。

② 国内一店舗あたりの日商

画像1

【ポイント】➡セブンイレブン既存店の販売力が抜きんでている

国内ビジネスについては、各社とも一店舗あたりの平均日商を開示しています。それによると、セブンイレブンの既存店だけ飛びぬけた販売力を見せていますね。これが名門ブランドの強さです。

店舗数✖日商ともにセブンイレブンがトップを走っている状況が続いていることこそが、やはり王者はセブンイレブンといわれる所以です。

企業としての利益力分析

画像3

各社業績を表でまとめました。重要ポイントを下記グラフで説明します。

注:ファミマについては情報不足があり、以下ざっくり推定をしています
・国内・海外セグメント分離していない ➡ 店舗比率で国内・海外を分離
・2021/2期通期償却費が開示されていない ➡ 上期✖2と仮定

① 営業利益・営業利益率

画像4

【ポイント】➡セブンイレブン国内やはり強い(さすがセブンi主力事業)
       ファミマも奮闘、ローソンは低迷

営業利益・利益率ともにセブンイレブン国内が抜きんでています。セブンイレブン海外は利益率はよくないですが、直販比率が高いなど理由がありそうです。

ファミリーマートも営業利益率としては15%と奮闘しています。ローソンが利益額・率ともに低迷している様子がわかります。

②EBITDA・EBITDAマージン

画像5

【ポイント】➡セブンイレブン海外は意外と経営貢献している
       ファミマのキャッシュ創造力は予想以上に高く大奮闘

EBITDAとしてキャッシュ収益力をみてみると、営業利益では見えなかった構図が見えてきます。

セブンイレブン海外は国内に近づいています。これは、営業利益には「のれん償却」が含まれているからです。実際のキャッシュ面でいえば、やはり海外事業の貢献度は相当に大きいようです。

ローソンも国内EBITDAマージンは21%と頑張りを見せていますが、もう一歩ですね。海外はやはり経営に貢献はできていないようです。

ファミリーマートはEBITDAで見るとかなりセブンイレブンに近づいていますね。EBITDAマージンは驚異の58%!
(但し、国内海外の按分は適当です。店舗数で按分しましたが、実際には国内利益率のほうが高いだろうと考えると、おそらくこのグラフ以上にファミマ国内事業の強みは高まっていそうです)

まとめ

✔ 店舗当たりの収益力・海外事業の強さともに依然セブンイレブンが圧倒✔ ファミリーマートは利益力を高めて奮闘、ローソンは低迷中

今後のコンビニ業界の行方はどうなるのでしょう。楽しみですね!

【今後のポイント】
王者セブンイレブンがSpeedway買収による海外事業成長をてこに、
 他グループを引き離しにかかるのか?
 はてさてSpeedway買収に当局クレームが来て成長速度が鈍化するのか?
✔伊藤忠によるTOBで勢いを増すファミマが、この機に国内セブンイレブン
 のお尻にがっぷりとかみつくことはできるのか?
三菱商事を親会社とするローソン組が、同じく商社系コンビニである
 伊藤忠-ファミマ組に負けじと意地を見せて再度追い越し、
 セブンイレブンを猛追するのか?

ーーーーーー

おまけ

コンビニ編最終話なので久々にまじめに記事を書きました(下ネタなしw)
冒頭三国志に例えましたが、
・魏=セブン(曹操)
・蜀=ローソン(劉備)、ポプラ(関羽)、スリーエフ(張飛)
・呉=ファミマ(初代:孫堅→2代目:孫策→3代目:孫権)
みたいに例えると面白そうですね!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?