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【ROUTE END】 憎しみの果てに何があるのか?

今日ご紹介したいのはこちらの漫画です。
その名もROUTE END(ルートエンド)です。
ジャンププラスに連載されていた作品で全8巻となっており完結済みです。

この漫画を読もうと思ったきっかけは、まずタイトルが気になったこと、そして特殊清掃業という職業がテーマになっており新鮮味が強く惹かれました。

①特殊清掃業

まずこの職業ご存知ですか?
簡単に言えば事故や自殺、自然死などで人が亡くなり、その遺体の腐敗などによってダメージを受けた空間を清掃する仕事です。
例えばマンションの一室で自殺した人が出ると、ウジ虫が湧いたり、体液によって床がダメージを受けたりするので、その部屋を清掃する仕事です。

主人公の春野はこの特殊清掃業に従事しています。

② サイコサスペンス

次に主人公の周りで連続猟奇殺人事件が発生します。その事件の猟奇性が肝で、死体の様々な部位を使い「END」という文字が事件現場に残っています。
死体を使った文字ですので極めて猟奇性が高く、まさにサイコパスの犯行です。

主人公はこの事件に次第に関わっていくことになり、犯人探しに躍起になるのですが、そう一筋縄ではいかず、次の犯行を食い止めることができません。

③ 生と死がテーマ

回を追うごとに感じるのが「生と死」がテーマだということです。
あなたにとって、生を実感するときはいつでしょうか。

この作品の中では、死体の横でセックスをすることで自我を保つキャラクターが出てきます。
異常に思えるかもしれませんが、彼らにとってはそれこそが命を感じる瞬間であり、誰にもその価値観自体を否定される筋合いはないのです。

あるいは宗教にハマる者。関係ない人から見ればなぜ熱中しているのかわかりませんが、当事者は真剣そのもので、それこそが生きる目的なのです。

では、死はどうでしょう。
あなたにとって死とは何を意味しますか?

生と死、対極にあるものでさえもある条件が揃えば同居しうる、そんなシーンも登場します。

④ 復讐は救いになるのか

主人公はとあることをきっかけに猟奇殺人犯を追いかけることに全勢力をあげます。
しかしそこで感じるのは、熱を帯びた怒りや憎しみでさえも、目的を達成して満たされるものなのかということです。

大切な人の命が誰かに奪われたとき、奪った相手に復讐することで報われるのでしょうか。
答えのない問いですが、この作品では我々に一つの答えを提示してくれます。

全体的に少し重いテーマになりましたが、漫画全体として文字数が多くて時間がかかるようなタイプの作品ではなく、スラスラ読めます。

ただ、サスペンス要素が強いので伏線を確認するために、読み返したりすることはあると思います。

サスペンス、サイコホラー、ダークなテーマがお好きな方は気に入ると思います。

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