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人間の汗が毒化したらどうなるのか 「毒で探して三千里」感想

ジャンププラスの読み切り作品「毒で探して三千里」を読みましたので、感想を書かせて頂きます。

こちらの作品を読もうと思った理由は、タイトルに惹かれたからです。というのも、タイトルの意味がいまいちよく分からず、「毒」という言葉にダークな印象があり、気になりました。

あらすじですが、人間の汗に毒性があることが発覚した世界です。家族間であればお互いに触れることは問題ありませんが、他人に直接触れることは基本的には出来ません。自身の毒で相手を傷付ける可能性があるからです。

従ってこの世界では全ての人間が基本的には手袋をして生活をし、手を繋ぐような場合も手袋着用となります。

そんな中、アリサという少女がおり、アリサの母親は吐く息が毒であることが発覚しており、母親は隔離施設にいます。アリサは母親と別々の生活を送りますが、アリサの吐く息も毒性が懸念されるため、アリサは常にガスマスクを着用しており、その縛りのあるなか幼稚園においてどのように生活を送るか、ということを描く物語です。

毒性から起因してお互い触れることが難しいという強力な縛りのある物語で、非常に見どころがあります。アイデアが素晴らしいですよね。


ここからネタバレ含む感想です。


アイデアは面白いのですが、いまいち物足りないです。まず物語が読切にも関わらず完結したのかよく分かりません。
伏線などは読切にしてはそれなりに回収していますが、タイトルの意味も最後までよくわからずでした。

アイデアは強烈に面白いのですが、仕上がりが悪く、ブラッシュアップのし甲斐が大いにあると思います。こういうアイデア自体に価値があると思うので、是非連載で見たいと思います。

そもそも他人に触れられないのであれば生殖行為はどのように行うのでしょう。恐らく性行為の形態が変わってる可能性があり、直接行為に及ぶことは極めて困難だと考えられます。全身コンドームの開発…?

すぐ下ネタに思考がいってしまい恐縮です。

また性行為以前にデートはどうするのか。
キスすら基本的には不可能なわけですからね。あるいは毒性に属性を持たせ、特定のカテゴリーの他人となら一定時間以内なら傷付かずに済むとか?

あるいは毒があるわけですかは、解毒能力も当然視野に入ってきます。解毒能力を持つ人間は超重宝され、大金持ちになってる可能性も高いでしょう。

資本主義を大きくひっくり返しそうな面白いネタだと思います。

こういうオリジナリティのある漫画がちょこちょこ見かけるので、読者としては楽しみが増えて嬉しい限りです。

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