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「寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。 」 短編物
本日は「寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。 」を紹介します。
タイトルから非常にキャッチーで、思わず手に取った作品です。
主人公の青年クスノキ君は、典型的な自堕落青年で意味もなく毎日を過ごしていました。そのような生活の中、ある日寿命を買い取ってくれる不思議なお店の噂を聞くのです。
そして寿命の大半を売り払った主人公は、余命3か月となりますが、「監視員」と呼ばれるミヤギという女性と生活をすることになります。
まず、あなたの寿命、1日いくらなら売りますか?あるいはいくらなら売れると思いますか?
この物語の主人公は、題名の通り1万円でした。
結構安いと思いましたが、主人公も同じ感想を抱いていました。
さてこの物語の鍵は「監視員」であるミヤギという女性です。そもそも「監視員」とは何なのか、どのようにしてなったのか、どんなことが使命なのか。
余命3ヶ月ともなると、自堕落な人でも否応なく考えてしまうものです。自分の人生、これで良かったのか。
余命というのも不思議な魔力で、知りたい人と知りたくない人のアンケートを取るとかなり面白い結果になるのではないでしょうか。
ちなみに私は知りたくないです。
昔、あるテレビドラマで、繰り返しの毎日、単調な練習、本当に面倒で面白味がないから、全部すっ飛ばして未来の自分から始めたいという主人公がいました。
彼は特殊な装置によって未来の自分へタイムスリップするのですが、そこには見たこともない子供と生活する自分がいるのです。
その子供が自分のことを父親だと指摘したことから、結婚した事実を知ります。しかし妻を探してもどこにもおらず、実は既に他界していたことを知るのです。
彼自身は苦しい時期もあったものの、結果的には社会的に成功を収めており、不自由ない生活を送っていました。
しかし彼は思います。
「苦労したかった。もっともがいて苦しい思いをして、幸せを自分で掴んで喜びを、幸せを感じたかった。面倒なことでも何でも自分でちゃんと経験したかった。」
そうです、人は実は苦労が好きなのです。
もがき、苦しみ、何とか手にしたものだからこそ価値を感じるのであって、突然成功者になっても面白くも何ともないのです。
そんな話がずっと頭に残っており、未来は知らない方が良いなと思うようになりました。
脱線しましたが、この漫画は3巻で完結している短編なので凄くおすすめです。
コミック版はやたらと高騰しているので、Kindleがお勧めです。
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