2017年 小学生部門 最優秀賞『若草物語』
受賞者
盛永 維さん(小4)
読んだ本
『若草物語』ルイザ・メイ・オルコット作 中山知子訳 講談社
作品
「いつまでも変わらない好きなもの」
盛永 維
この本は、約百五十年前に書かれた本です。そして、実際に存在した作者の四姉妹がモデルになっているお話です。私がこの本を読んで、一番印象に残ったのは、四姉妹一人一人の個性です。とても仲の良い四姉妹でも、一人ずつ好きなものは違います。長女のメグは、おしゃれ好きで自分の服やメイクをとても、気にしています。次女のジョーは、本が好きで作家になるのがゆめです。三女のベスは、ピアノが好きで、音楽にとてもきょう味があります。末っ子のエミーは、絵を描くのがとても好きです。こんな個性を持った人は、私の周りにもたくさんいます。今の時代のものは、四姉妹の時代のものとは、まるで違います。だから私は、四姉妹に今の時代のものや、四姉妹と似た個性を持った人に、会ったらどう思うか考えてみました。
まず、長女のメグです。メグは、おしゃれが好きなので、今のメイクを見せてあげたいと思いました。今のメイクには、キラキラしていたり、ハロウィンのかそうで使うような、少し変わったメイクがあります。きっとメグが見たら、すぐにえいきょうされて、やってみたいと言い出すと思います。でも、やさしい顔をしたメグには、似合わないので家族に止められると思います。それから、メグに会わせたい人は、女優の土屋太鳳さんです。なぜなら、ファッションにくわしそうで、年もメグより少し上だからです。メグは、きっと今のファッションを取り入れて、もっとおしゃれにきょう味を持つと思います。
次に、次女のジョーです。ジョーは本や物語が好きなので、映画を見せてあげたいです。私が見せてあげたい映画は、ジブリの「借り暮らしのアリエッティー」です。これを見たジョーは、スクリーンの後ろで人がおしばいをしていると、勘違いすると思います。そして、家にあるもので実際に映画を作ろうとするかもしれません。例えば、カーテンに光を当てて、人形に自分の作った物語をえんじさせると思います。そして、家に帰ったら床の下をのぞいて小人を探すと思います。なぜなら、ジョーは映画で見た小人を本物だと思って、自分の家にも住んでいると想像すると思ったからです。
そして、三女のベスです。ベスには、今のいろいろな種類のピアノやCDを見せてあげたいです。ベスが使ったことがあるのは、グランドピアノだけだけれど、今はキーボードや折りたたみ式など、いろいろな種類があります。ベスがキーボードをひいたら、音がグランドピアノと違って、クラシック音楽には合わないと言うかもしれません。折りたたみ式のピアノを知ったら、ベスはどこへ行く時もピアノを持っていくと思いました。次に、CDです。ベスがCDを聞いたら、生演奏とあまり変わりがないことに、感げきすると思います。そして、CDの種類や四姉妹の時代と今の時代の音楽の違いに、おどろくと思います。もしかしたら、ベスがCDでロック音楽を聞いたら、CDがこしょうしたと思うかもしれません。
最後に、末っ子のエミーです。エミーには、絵を描く道具の種類を見せてあげたいです。四姉妹がいた時代は、絵の具しかなかったけれど、今はクレヨンや色つきのボールペンなど、いろいろな種類があります。エミーがそれを見たら一つの絵にたくさんの道具を使って、描くと思います。そして、本物そっくりになると思いました。それから、エミーに会わせたい人は、クリスチャン・ラッセンさんです。ラッセンさんは海の絵を多く描きます。まだ、エアブラシを使って描くので、写真のような絵になります。エミーが見たら、写真も知らないので実際に海を見ていると、勘違いすると思います。そして、ラッセンさんにエアブラシの使い方を教えてもらって、エミーは四姉妹の絵を描くと思いました。
そして最後に、四姉妹が今の時代に来ても、それぞれが好きなものに対してのとらえ方はきっと変わらないだろうと思いました。なぜなら四姉妹はそれまでも、好きなものいいところをたくさん見つけてきました。だから、今の時代に来て、好きなものが新しく変化していてもそれにきょう味を持って、もっと好きになっていっただろうと思うからです。いつの時代にいても、好きなものだけではなく、家族や友達を大切にする四姉妹だからこそ、百五十年前の物語でも古く感じないのだと思いました。
受賞のことば
私は、「若草物語」の四姉妹の個性や百五十年前の話だということに、目をつけたことが評価され、最優秀賞に選ばれたことがとてもうれしいです。「外国の本っておもしろい!」の中に去年の作品をのせてもらいました。そして、他の人の作品にしげきを受けたこともあり、今回の結果が残せたと思います。本当にありがとうございました。これからも、外国のいろいろな種類の本を読みたいです。
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(注:応募者の作文は原則としてそのまま掲載していますが、表記ミスと思われるものを一部修正している場合があります。――読書探偵作文コンクール事務局)
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